【緋彩の瞳】 2015年11月

緋彩の瞳

2015年11月の更新履歴

2015年10月2015年12月

その他・小説] 彼女の歌声

 概要: 「久しぶりね、せつな」学校帰りの高校生たちが賑やかな喫茶店だけど、いつものように制服姿の仲間たちの姿はなくて、いるのはヴァイオリニストの海王みちるだけ。いつもとは違う、2人用の席で優雅に足を組んでいる姿。せつなは座ったことのない少し窮屈さを感じる1人用のソファーに腰を下ろした。「そうね。みちるは、元気にしているみたいね」「えぇ、お陰様で」ヴァイオリニストとして、秋はイベントやコンサートが多いから、み...

美奈子×レイ小説[実写・単発もの]] 可愛くねだって END

 概要: ………………………美奈子は頭を抱えそうになるのを堪えて、そっと膝をついてレイに近づいた。レイは鈍感と言うほどじゃないけれど、美奈子があの撮影の時にどこの誰を想い浮かべていたのか、そしてそれがばっちりと、ありありと、自分でも嫌になるくらい表情に出てしまっているのを目の当たりにして、馬鹿じゃないかって思うくらい、照れくさくて仕方がなかったということなんて、わかったりしないだろう。「今日みたいに、CMとかポスター...

美奈子×レイ小説[実写・単発もの]] 可愛くねだって ②

 概要: 「何か、美奈子ちゃん顔赤くない?」「……知らないわよ」「照れてるよね、あれ」「さぁ」「いや、あれ、凄く照れているように見えるんだけど。あんな可愛い歌、レイの前で歌うのが恥ずかしかったから、レイを連れてくるなって言ってたんだろうね」「………変なの」何が、“ポッキーの端と端から近づくキスの予感”、だ。それって脅迫って言うんじゃないのかと突っ込みたい。にしても、いつもイベントを見に行くと美奈子はレイに向かって...

美奈子×レイ小説[実写・単発もの]] 可愛くねだって ①

 概要: 『大好きなあなたに、ポッキーキスをねだろう』そんな広告文字と共に、視界に入ってくるのは愛野美奈子。ポッキーを銜えて目を閉じて撮られたポスター。ここ最近、あちこちでやたらと見かけるようになった。お菓子メーカーのイメージ・ガールになったと言うことは、夏くらいに聞いた。それがこれ、ということらしい。ヴァレンタインの時期は、きっとイベントだらけで忙しくなるなんて言っていたけれど、今はまだ11月。まぁ、チョコ...

美奈子×レイ小説] 明日、雨でも

 概要: 「美奈、何してんのよ?」「いやだ、見てわかんないの?」ティッシュをいくつも引っ張り出しては手のひらで丸めている。白い布でそれをくるんで輪ゴムで留めて。「何でそんなものを作っているの?」「だって、明日雨だったら嫌じゃない?」布に滲んでいくマジックペンで描かれた目が、ちょっと薄気味悪い。真っ白い布に描かれた目がこちらを見つめてきて、思わずレイはしかめっ面でにらみ返した。「イマドキ、幼稚園児でもそんなも...

その他・小説] fall

 概要: 3本目のバスを見送って、ため息を腕時計に吹きかけた。次のバスに乗らなければ、流石に塾に遅刻してしまうだろう。せっかくの余裕のある20分の間に、コンビニへ行って塾の休み時間に食べるサンドイッチを買えばいいのだが、このバス停から離れると言う選択肢はない。怪訝な顔で亜美を見て、どうして乗らないのかと言わんばかりの運転手を作り笑顔を見せた。週に4日の学習塾、ほとんど同じ時間に学校が終わり、ほとんど同じ時間のバ...
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