【緋彩の瞳】 2016年03月

緋彩の瞳

2016年03月の更新履歴

2016年02月2016年04月

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 触れた指の間を流れる想いは END

 概要: ペコとルクリリは改めて頭を下げ、ローズヒップも深く一礼をして隊長室を後にした。ドドドドと凄い勢いで廊下を逃げるように去って行く音が、小さくなって消えるのを無言で待つ。ペコもダージリンの傍にいるときは落ち着いていて、おとなしく淑女でいられるのに、あの2人といるときはまた、違った一面を見せてくれるから、なかなか面白い。「………暴走シスターズの方がお似合いね、あの3人」「そうですわね」ふぅ、とため息を吐いた...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 触れた指の間を流れる想いは ②

 概要: 「アッサム」全員整列、一礼をして訓練が終わった。それぞれ無言で、各車長を先頭として、列をなして寄宿舎まで帰るのがしきたりだ。寄宿舎は学年別であるが、3年生、2年生、1年生と徐々に人は少なくなって消えてゆく。チャーチルの5人のうち、最初に列から離れるのが最前列のダージリンと次を歩くアッサム。無言で寄宿舎の玄関を入り、いつ落ちるかしらと悩むほど古くて大きなシャンデリアに迎えられて二手に分かれている階段の右...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 触れた指の間を流れる想いは ①

 概要: ガルパンのダッサム(ダージリンとアッサム)「………ローズヒップ、何事かしら?」クルセイダー小隊の訓練場から、激突音が響く。マチルダⅡの射撃訓練を見ていたダージリンは椅子から立ち上がり、モクモクと上がる黒い煙を双眼鏡で確認しつつ、近くに置いてあった無線機で静かに名前を呼び出した。『た、ただの故障ですわ、ダージリン様!』「あらそうなの?では整備科の責任者をすぐに呼びつけましょう」『うっ、あの、いや、だ、大...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 触れられぬ彼女へ END

 概要: 「いかなる時も優雅。両手を挙げてしまっては、紅茶を自らにぶちまけてしまうわ」「先に、私の方に掛けられてしまいそうですわね」小さく首をかしげて微笑むその笑みが、作られていないのではないかと一瞬だけ思った。そう、願ったのかも知れない。「明日の試合では、アッサムティを淹れましょうか?」いつも、チャーチルは車長の名前の紅茶を飲んでいる。それもまた、古くからの伝統。「おやめになった方がいいですわ。それで負け...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 触れられぬ彼女へ ②

 概要: 「珍しいですわね、ダージリン様がこちらに出向くとは」「初めてよ、アッサム」「確かに、言われてみればそうですわね」隊長であるダージリンの部屋と、ほぼ同じ広さの副隊長の私室。来客があると想定されていないのか、1人用のソファーに1人用の小さなテーブル。勉強机にはつけっぱなしのパソコンが白い光を放っていた。「お忙しかったかしら?」「いえ、大したことではありませんわ」戦車の中にパソコンを持ち込んだのは、アッサ...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 触れられぬ彼女へ ①

 概要: 彼女は、近くにいてなお遠い腕をのばせば触れられる距離は永遠より彼方むしろ過去を懐かしむことの方が、どれ程傍にいると錯覚させてくれるだろうか聖グロリアーナ女学院に入学し、時期隊長候補と称えられるまでは数か月も掛からなかった。マチルダⅡの車長及び小隊長に指名され、行動は常に隊長と共にし、校内模擬試合ではあったが、史上最速でチャーチルの車長を務めたこともあった。1年の5月にはティーネームを与えられ、“ダー...

みちる×レイ小説] Kiss your lip END

 概要: 朝方、みちるさんの腕の中で目を覚まして、そっとベッドを抜け出した。身体中に降らせた愛で、みちるさんはまだ気を失うように眠っている。「…………諦めたから、いいけどね」薄紫の朝焼けが照らすのは、相変わらずチューリップの葉っぱと、小さな蕾だけだ。昨日の天気予報では、今日の午後から雨が降る。水を与える必要はないから、早く起きても何もすることがない。もしかしたら少し、例えば赤い花びらの欠片でも見えていたりしない...

みちる×レイ小説] Kiss your lip ④

 概要: 「みちるさん」「…………暗い顔して、どうしたの?」 12時前には頑張って行くからと、6日になる1時間前にメールが入った。レイは夜ご飯も食べることができずに、ソワソワと庭を何度も何度も眺めては、諦めの溜息と、今更これでよかったのかって不安が押し寄せて、空っぽなのに何かを吐きそうになりながら、もう何時間も落ち着きを失っていた。今更ながら、申し訳ない程度の蕾のチューリップのことなんてなかったことにして、みちるさ...

みちる×レイ小説] Kiss your lip ③

 概要: 「やっと、芽が出た」あと1週間で2月が終わる。自分が想像していたよりも遅いと思うが、ここから一気に伸びて行く、と言うことはあるのだろうか。植物は月の満ち欠けと違って、必ず決まった日に芽が出て花が咲くものではないっていうことを理解しているはずなのに、それでもこのチューリップたちに限っては、絶対に3月6日に咲いてもらわないとダメなのだ。「ちょっとあんたたち、空気読みなさい」花に向かって文句を言ったところで...

みちる×レイ小説] Kiss your lip ②

 概要: 慌てて花屋に飛び込んで、チューリップの球根を探した。オランダから輸入されている球根は色鮮やかに咲くらしく、たくさん種類があって、どれを選べばいいのか、もう全然わからない。一番無難な赤と、可愛らしいピンクを選び、店員さんにアドバイスされて、土に混ぜる肥料もとりあえず買った。小学生の頃から理科の点数は悪くないが、夏休みの宿題だった朝顔もひまわりも、水をやらずに見るも無残なことになった小学生の頃の記憶が...

みちる×レイ小説] Kiss your lip ①

 概要: 「みちるさん」「…………暗い顔して、どうしたの?」3月5日の夜仕事が終わったみちるは、約束通りレイの家に急いだ。みちるのマンションではなく、来てほしいというレイからのお願いだった。タクシーを飛ばして仙台坂を上り切ると、静かな別の世界に来たような錯覚。暗闇の中で境内の中を通い慣れた歩数分進んで、玄関に向かう。ぼんやりと擦り硝子の向こうから見える明かりは、レイの部屋ではない。そこから裏庭に続く通り抜けて、レ...
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