【緋彩の瞳】 2016年04月

緋彩の瞳

2016年04月の更新履歴

2016年03月2016年05月

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 零れ落ちた想いは END

 概要: 紅茶の園から出て、とにかく静かな場所を目指した。歩いている間も、ずっとずっと頬を濡らす雫がアッサムの視界を遮ろうとする。時間外で止まっている噴水の傍を通り、学校外へ続く裏門へと向かった。「アッサム様~~~」痛みを消してくださいと乞うために、教会に歩いて行こうか。そんなことを思っていると、少し離れた場所から、ローズヒップの声と走ってくる靴音が近づいてくる。「………や~っと見つけましたわ!先輩方がアッサ...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 零れ落ちた想いは ③

 概要:  隊長室に戻ると、人の気配がした。ダージリン様がおられるのだろう。扉を開くと、バニラの姿が視界に入ってくる。事情を察知して、自分がここにいた形跡を残したまま席を外したことを後悔した。ダージリンが苛立ちを携えた瞳で、アッサムを見つめてくる。アッサムが1人で車に乗っていたことも、彼女は知っているような気がした。自分が勝手にやったことであり、その理由が自分でさえ見つけ出せていないのだけれど、ダージリン様...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 零れ落ちた想いは ②

 概要: 指に触れるとその手を握ると淡い期待の風が撫でるように吹く近くて遠いいっそ、ずっと背中を見つめる距離だけでいた方が。だけど、近づきたいと願ったのはアッサムだった。ダージリン様の背中から黒い十字架が消える時を、心のどこか知らないところで、ずっと待ちわびていた。あの日、初めてダージリンが部屋を訪ねて来た夜、淡い想いが胸をくすぐった。“ダージリン”としての微笑み。3年近くいて、一度だって見たことがなかったの...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 零れ落ちた想いは ①

 概要: 「アッサム様~」ダージリン様の誕生日パーティまであと1週間。戦車道の訓練が終わるとローズヒップがクルセイダー部隊の列を引き連れて走ってくる。整列してゆっくり歩けと声を荒げるのをぐっとこらえた。少し前をダージリン様が歩いているのだ。「何ですか、ローズヒップ」「ご相談事ですわ」「………私が出向きます。1年の寮玄関で待っていなさい」「はいっ」ここのところ、1年生はみんな、ソワソワ浮き足立っている。いつもはおと...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 閉じ込めた想いは END

 概要: ...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 閉じ込めた想いは ②

 概要: 「ダージリン様。午後から少しお時間を頂けますか?」誕生日当日。オレンジペコが意を決したと言う表情を見せて、朝食後に声を掛けてきた。忙しくて無理だなんて言えば、泣いてしまうかしら。思いながらも笑顔を見せる。「えぇ、構いませんことよ。どうかしたの?」「いえ、あの、その。えっと、えっと、では15時にその、食堂に来ていただけますか?」「随分広い場所でお茶をするのね」「へ?あ、いや、あの、その、今日はえっと、...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 閉じ込めた想いは ①

 概要: “ダージリン様”1年生の秋、夏の大会が終わりアールグレイ様からチャーチルの車長を命じられた。いずれ卒業される3年生の先輩方の多くは、引退、つまり主要な役割を自ら降りて後輩の育成に回られた。マチルダⅡの小隊長を任された時から、ダージリンがそのタイミングでチャーチルに搭乗するということは聞かされていた。訓練や試合を見ていて、アッサムの能力の高さをよくわかっていたから、一緒の戦車に乗ることをひそかに心待ち...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 待ちわびる

 概要: 誕生日前日。意図してフライングされたのか、プレゼントが詰まっている段ボールが5ケース、隊長室に届けられた。ペコとアッサムと3人で、次の親善試合の打ち合わせをしている途中次々運ばれるそれが、ドアを塞ぐように並んでしまい、ダージリンのため息で話しは中断される。「今日で5ケース分、ですか」アッサムはパソコンのデータを保存して、画面を一度閉じた。「ペコ、取りあえず開けて、差出人と中身のリストを作っていただけ...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 彼女たちの笑顔 END

 概要: リストに書かれているものを買い終わり、指定された場所に5分前に到着すると、ベンチに座ってアイスクリームを食べているローズヒップの姿が見えた。「アッサム様~、2人が来ましたわ」「ちょうどいい時間ね」隣で紙コップの何かを飲んでいらしたアッサム様。大きな紙袋を両手に持っていたルクリリはローズヒップにうらやましい視線を流して、それを声に出さずに堪えた。あの様子だと買い与えたのはアッサム様に違いない。「荷物を...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 彼女たちの笑顔 ①

 概要:  横浜港に寄港した朝、3人部屋のペコたちは駆け足で食堂に向かい、ソワソワとしながら朝食を食べ終えた。身体が数ミリくらい浮いているのではないかと思うくらいに、なんだか落ち着かない。残暑が厳しい土曜日の朝。混雑する前にランドリールームに駆け込んで、シーツや紅茶のシミの付いたシャツを最新式洗濯機で洗う。3人がドドドドと走るたびに、同学年の子たちは、また何かやらかしたのか、3年生に何か言われたに違いないと思...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 淡く広がるこの想いは END

 概要: 「ペコとの逢瀬はどうだったの?」食堂での夕食後、寮へと戻る途中にダージリンが足を止めて振り返った。海上をゆっくりと進む船の上は夜空が綺麗で、人口の光のない場所まで、散歩に行こうかしらと何となく考えていたところだった。「残念ながら、告白ではありませんでしたわ」「あら、それは残念だったわね」「3人揃って参上されましたの」「羨ましいわね」「まるで女子校みたいにキャーキャー言って、ひとしきり騒いで嵐のよう...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 淡く広がるこの想いは ②

 概要: 彼女がダージリンと呼ばれることになった日から、彼女の背中を見つめてきた。その背をこの手で支えているというおこがましい想いもなかった。ただ、見つめていただけだ。アッサムが早々にティーネームを授かり、チャーチルに乗りこんだのは、ダージリンのためだと、アールグレイ様に言われたことがある。いずれのしかかる重圧は1人より2人の方が耐えられるでしょうから、と。だと言うのに、アッサムは何も彼女にしてあげられること...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 淡く広がるこの想いは ①

 概要: 「アッサム様」訓練が終わり一礼のあと、いつものように寮へと戻る。大会が終わった後も、模擬試合や他校との親善試合の数をこなし、ダージリン様は随分とそれを楽しんでいるようだった。勝つと言う目的ではなく、後輩を育てることを目的とした日々の訓練では、夏までのダージリン様とは打って変わって、本当にキラキラして後輩の指導をしている。とりわけ、ダージリン様に素直に愛情表現を見せて、ぴょんぴょん跳ねまわって懐いて...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 彼女の背中 END

 概要: 5月を迎える頃、必須科目である操縦訓練の授業が終わり、午後は模擬試合だった。隊列を組んだ行進訓練後、整列させられた1年生は、それぞれ隊長から役割を振りあてられる。彼女はチャーチルの車長を命じられた。この試合で彼女が実力を発揮すれば、めでたくダージリンというティーネームが与えられる。何となくそう思った。昨日、隊長に呼び留められて、「アッサムとリゼなら、どっちがいい?」と聞かれ、「アッサム」と答えた。自...

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕] 彼女の背中 ①

 概要: 10年に1度の逸材が入学してきた。同じ聖グロに入るということも知っていたので、その逸材という人物がすなわち彼女であると言うことは、誰もがわかっている。入学式が終わると同時に、戦車道の3年生が1年生の教室を訪れて、どこかへ連れていかれた時のとても落ち着いた様子は、すでに風格があった。戦車に乗るよりも早く、先輩方に連れていかれるなんてどんなコネを持っているのだろうかと、周りのクラスメイト達がヒソヒソと嫉妬...
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