【緋彩の瞳】 人魚殺人未遂事件 ②

緋彩の瞳

みちる&レイ小説[幼馴染]

人魚殺人未遂事件 ②

「やっぱレイちゃんはすごいよ~。うさぎの財布のありかを突き止めるんだもん」
「いや……だからそれってさぁ」
「困った時は、レイちゃんにお願いしたら何でも見つけてくれるもんね。あー、流石だよ」
次の日の放課後。うさぎちゃんはもらったばかりのお小遣いを使って、ゲームセンターで遊び呆けていた。今はパーラーでパフェにくらいついている。
美奈子は苦笑いをしながら、いつものことだけど、って心の中で呟いた。レイちゃんはそそっかしいうさぎの行動を丁寧に確認して、答えを導いてあげただけだろうけれど、探し当てたことになってしまっている。霊感少女なんて言われていて、行方不明者の捜索やら、失くしたものの場所をピタリと当てたりなんて、そんなことで騒がれていた時期もあったな、ってほんの少し前のことを思い出した。
霊力を最大限に使えば、人の行方をある程度特定できる、と本人から聞いたことがある。そのために使う力は相当だし、今は携帯電話を持っていればGPSで場所を特定できるわけだし、そんなことをしなくなったんだとか。
失くしものなんて、この前のうさぎちゃんみたいに、一つ一つ記憶を蘇らせて、どのタイミングで失くしたのかをある程度決めてしまえば、すぐに見つかるものなのだ。
とにかくまぁ、うさぎちゃんはあの場所で美奈子とレイちゃんが何をしていたのかという記憶を落としているし、それは探さないでもらえたら助かる。
「あの、お姉さん!」
「……ん?…え?」
ナンパにしては声が幼い、と振り返った美奈子は目の高さに人の頭があってがっくりした。
それでも微笑んで腰をかがめてあげる。
「なぁに?」
「さっきの話し!行方不明の人を探してくれる人の話しのこと」
うさぎちゃんが言っていたことらしい。美奈子は肩をすくめてうさぎちゃんと目を合わせた。
「あの、誰か行方不明の人でもいるの?だったら、警察に届けた方がいいんじゃないかな?」
うさぎにしては、まともなことを言うじゃない。美奈子は感心しながら後押しするように頷いて見せる。
「ううん。行方不明じゃなくて……探してほしい人がいるの」
「誰?正義の味方とか?」
小学生くらいの女の子だから、セーラーVのことは知ってるんだろうな。きっとこの子が低学年くらいには、美奈子もバリバリやってたし。なんてことを考えていると、思いきり首を横に振られた。
「生き別れの兄弟とか?」
「妹はいるけれど、一緒に住んでる」
「うーん。初恋の男の子?」
「違う」
うさぎちゃん、ひとつひとつ聞いても意味ないよ。美奈子は肩に手を置いて後ろに追いやった。美奈子の出番なのだから。
「誰を探してほしいの?」
「だから、その探し当てる人のところに連れて行って」
「いや、でもさ、その人の力を借りる前に、私たちで探せるかもしれないじゃない?」
「無理だよ。そんな簡単に探せる人じゃないもん」
死んだ幽霊でも探しているのかしら。
まさかね。
真剣な目で見上げてくるから、美奈子は眉間にしわを寄せるしかない。
レイちゃんはあんまりいい顔をしないだろうな。
「美奈P、レイちゃんのところにとりあえず連れて行く?」
うさぎちゃんは、特にレイちゃんが困るとか嫌がるとかそういうことを気にしていない感じだ。なんせお財布を見つけてくれた神様とさえ思っているのだろうから。
まぁ、それもきっと数日で忘れる。
「うーん。ねぇ、お姉さんたちにその探している人のことを教えてくれるなら、考えてあげる」
死んでいる人とかならある意味レイちゃんの領域。
だからこそ、そう言うことでレイちゃんに会わせるのは間違えている。そういうお涙ちょうだいっていうものを、レイちゃんは凄く嫌っているから。
「………笑わない?」
そんな、笑える相手なの?って聞きたいけれど、子供相手なのだから、と美奈子は力強く頷いて見せた。



「人魚を探しているの」

「……人魚?それってみちるさん?」


美奈子とうさぎは同時に海王みちるという人間を想い浮かべた。




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Date:2014/03/22
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