【緋彩の瞳】 waiting time

緋彩の瞳

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美奈子×レイ小説

waiting time


これで何度目だろう。
レイは深く溜息を漏らした。
10分の遅刻は遅刻に入らない。本当、いい神経をしていると思う。20分遅刻は5回に1度。30分遅刻は10回に1度。爆発して怒ったことだって、過去に1度や2度じゃないのに、懲りてないのはなぜなのかしら。
 
時計は16時を指していた。
おいしいパフェのある喫茶店を見つけたから、おやつの代わりにって待ち合わせ時間を指定してきたのは、もちろん美奈で。
おやつ時間といえば15時なわけで。
レイは、数えていないけれど、たぶん20回目くらいの溜息を漏らした。

時計を見る頻度は1分に1度くらいになっている。
それでもこない。
どうせ通信機で急かしても、来る時間は変わらない。

美奈はわかっていない。
待たされることの不安な気持ち。
何かあったかもしれないとか、すっぽかされているかもしれないとか、本当は別の人と会っているから遅れているのかもとか・・・
そんなことを考えなきゃいけない気持ち、美奈にはわからない。
「やほー」
「・・・何をのんきなこと言っているのよ!!!」
あったまに来たけれど。
顔を見てほっとしている自分がいる。
でも、いい加減にして欲しい。こんなに不安にさせて・・・
 
だから仕返し。
あれから3日後のデートの待ち合わせは18時。
レイは通信機をオフにして、携帯電話もオフにして、19時に家を出た。

待ち合わせの場所までは20分。
たとえ美奈が1時間遅刻してきたとしても、こっちは19時20分にたどり着くのだから、美奈が後から来る可能性は薄い。最大1時間15分遅刻した美奈だから、さすがにこの時間で来ないなんて・・・あったら、犯罪ものだもの。
 
のんびり歩道を歩いていると、凄い勢いで車が走ってきた。ちょうどレイの横につけられるように鮮やかに、ピタッと止まる。見たことあると思ったら、はるかさんの車。
「レイ?!生きていたのか?!」
「・・・はぁ?」
オープンカーから飛び降りて、レイの身体をベタベタ触りながら何かを確認している。
「はるかさん?…何しているの?」
「美奈子からレイが行方不明だって緊急で連絡が入って・・・みんなで探し回っていたんだ!」
そういえば、家の電話がやけにうるさかったような。留守電にしていたし、声とかは聞いていないけれど。どうやら、美奈はレイが待ち合わせ場所にいないし連絡も取れないということで、かなりとんでもない方向へ考えて、みんなに捜索するように叫んだらしい。

自分のことを棚にあげて、よくやるわ。
レイは悪いことをしたと思っていないけれど、はるかさんから連絡を受けてすっ飛んできた美奈が、目を真っ赤にして泣きじゃくっているから。

仕方がないから、謝った。
遅刻しても美奈は謝らないのに。
なぜこんなことになったのかしら。
人の目も気にせず抱きついて嗚咽を漏らす美奈の背中を擦りつつ、でもなんとなくちょっとだけ嬉しかった。

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Date:2006/01/08
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