【緋彩の瞳】 With U Minako

緋彩の瞳

美奈子×レイ小説

With U Minako

ふたご座流星群を見に行こうと、あなたは言った。
星座に興味があるだなんて一度も聞いたことがなかった。
急かすあなたのために、仕方なく私はジャケットを羽織る。あなたは私の髪を撫でてそっと梳いた。
差し出された手を握り一緒に神社を出る。あなたはいつも手を差し出して、私はいつも自然にその手を握り締めている。

階段を下りると、あなたはバスに乗ると言い出した。面倒な表情をしてみせる。見て見ない振りをされて、やってきたバスに私を引きずり込んだ。

周りにネオンがない場所は植物園しかなかった。
とっくに営業時間が過ぎているというのに、あなたは私の手を放すと大きくジャンプする。そして門の向こうから私を急かした。
あなたはいつも、予期しない行動をして、そして私を急かす。
嫌な顔を見せても、あなたはそれを認めようとはしてくれない。
仕方なく彼女と同じ方法で中に入った。警報機なんていうものが鳴らないのだろうかと冷や冷やする。こんなことをするために私たちは特殊な力を持っているわけじゃないのに。そう言おうとしても差し出された手を握ってしまうと、チャンスを失う。ぐいぐい引っ張られて暗闇の中を歩いた。
野原にたどり着くとあなたは寝転がり、私を引っ張る。仕方なく隣に座ると背中を抱きしめられた。

「ねぇ」
「何?」
「犯罪者よ?」
「大丈夫よ」
溜息をついた。少し白い息が見えた。
星が地球へと向かって降ってくる。
それはもうずいぶんと昔に見た風景だった。見慣れたはずの風景だった。
「やっぱり、何度見てもいいわよね」
「そうね」

暗闇に光るあなたの髪の色。
時々私の頬を掠めて。
時々あなたの吐息が耳を掠めて。
「レイちゃん」
「何よ、美奈」
「キスしようか?」
「なぜ?」
「願い事3回なんて、あんな速さじゃ言えないでしょう?代わりにキス」
「どういう考えなのよ」
「いいから、早く」

呆れる私の唇に柔らかい感触が舞い落ちてくる。
息を吸うチャンスを奪われ、暗闇だからなのか、目を閉じることも忘れていた。
何度も角度を変えて求めてくるあなたの唇が私の鼓動を早くさせる。
耐え切れなくなって、私はあなたから逃げた。
不満そうな表情を吐息が触れる距離で見てしまったから、少しだけ反省する。
今日は星を見に来たというのに。
あなたはすっかり目的を忘れている。

星がまた、いくつも流れ落ちてきた。
あなたの両手が強く私の身体を束縛する。
私は彼女の頬を両手で包むと、思い切りぐいっと東の空へと向けてあげた。


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Date:2014/01/21
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