【緋彩の瞳】 Sweet Sweet love Sweet  

緋彩の瞳

美奈子×レイ小説[実写・単発もの]

Sweet Sweet love Sweet  

「ねぇ…」
「何?」
「いつまでくっ付いているつもり?」
「夢が覚めるまで」
「だから、夢じゃないんだって」
「じゃぁ、わたしが夢に落ちるまで」
美奈子に抱きついたまま、レイは目を閉じた。
「あのさぁ…」
「何?」
「今、10時なのよ」
「今日は、土曜日よ?」
「仕事があるんだけど」
「仕事と私と、どっちが大事?」
「レイ、いつから不倫しているOLになったのよ?」
美奈子は溜息をついた。それでもプロレス技のように身体に手足をまきつけてくっ付いて離れないレイ。コアラの親子だってこんなに密着しないというのに。
「素直になってくれたのは嬉しいけれど…」
「あなたが悪いのよ」
「じゃぁ、もっと楽しいことしてくれる?エッチしてくれないくせに抱きつくだけなんて、卑怯よ、レイ」
「う、うるさいわねっ」
それでも美奈子の胸に顔を埋めたレイは、じっと身体の上から降りるつもりもない。
「重たい」
「いいのよ」
「いなくなったりしないわよ」
「わかっているけど、こうしていたいのよ」
「私を信じられないの?」
「信じられるような行動を取ってきたわけ?」
美奈子は言葉に詰まった。
身体の上に乗っているレイは絶対に降りるものかと、力を込めている。
「ずっと、毎晩あなたが夢に出てきて。きっとこれも夢なのよ」
「私は身体中痛いから、夢じゃないわよ」
「夢の中だってね、痛いのよ。心も身体も。あなたは温かかった。だけど目が覚めてしまうのよ。夢ってそういうものなのよ」
すがりつくレイの腕にいっそう力がこもる。美奈子は身体中の骨が折れて死んでしまったりしないだろうかと、ちょっと真剣に考えた。
「レイ。夢の中の私とどんなことしてた?」
「…」
「ねぇ」
「…」
聞こえないフリ。美奈子の小悪魔が尻尾を見せる。
「言わなきゃ、エッチなことするわよ。襲っちゃうわよ」
「夢の中と、たいして変わらないじゃない」
「じゃぁ、夢の中ではそういうことをレイも望んでいたわけね」
「なっ!」
がばっとレイが起き上がった。畳とレイに挟まれていた美奈子はようやく解放される。
身体中圧迫されて流れの悪かった血が一気に駆け巡った。
「レイ、こっちこっち。さ、布団はどこなの?先にシャワー?あぁ、今は朝だからいっぱい出来るわよ」
悪魔の尻尾をブンブン振って、美奈子がレイを手招く。
「嫌よ、何をボケかましているのよ。夢の中の美奈は、もっと優しかった」
「勝手に人を理想のタイプにしないでちょうだい」
レイが起き上がって、部屋の外へ逃げようとする。
「待ってよ。お布団引きなさいよ。シャワーは一緒に浴びるということで」
「だから、そんなことしないわよ!!」
見る見るうちに顔の色が、赤くなってゆく。
「レイ」
美奈子は立ち上がると、一歩引いたレイを抱き寄せた。
「じゃぁ、いつになったらいいの?」
「…もう…」
ごく。息を飲み込む。夢かもしれない。また目を覚ましてしまうかもしれない。
「何?」
「夢じゃないって、私が信じることが出来たら…」
「身体中で信じさせてあげるから」
温もりを感じてもまだ、信じられない。
「約束とかいらないの。あなた、すぐに破るもの」
「信用されてないわね」
「当たり前じゃない」
間髪いれずに反論する。手を繋いでも、抱き合っても、気がついたらそれは創造の世界だった。何度こんな想いをすればいいのだろう。もう、嫌なのだ。
「…私を身体に刻み込んであげるから。もう、離れたりしないって。ね?」
もう哀しくなんかない。哀しくなんかない。腕の中にある温もりは今度こそ本物だから。
「美奈…」
「レイ」
「…馬鹿。今度嘘ついたら、死んでやるんだから」
「そんなことされたら、私も後を追うことになるわよ?やめてよ、もうごめんだわ」
ボロボロに泣くのはこれで最後にしたい。彼女は涙を流させて、それでいて泣き止む魔法も持っている。
「酷い顔。そんなに私が好き?」
頬の涙を拭ってくれて、いたずらに唇をいっぱい頬にくっ付ける。
「言わせないでよ。もう、何度も言ったじゃない。夢の中で…」
「そうね。何度も聞いたわ」
力なくしゃがみ込んだレイを追いかけて、美奈子はそっとレイを押し倒した。
「畳の上は、ちょっと嫌よね」
「…夢の中では、あなたが布団を取りに行っていたから」
レイは押入れを指差す。美奈子はその指の方向を目で追って、クスッと笑った。
「覚悟しなさいよ」
「夢なら今頃、覚めているから。夢じゃないって、嫌というほど思い知らされるのよ」
「…それってどういう意味よ」
意地を張ったまま素直にならないレイの唇を奪うと、美奈子は勢い良く押入れを開けた。
「覚悟しなさいよー!!!」
                                 see you again!!!!




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Date:2014/01/21
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