【緋彩の瞳】 遅くなって、ごめん END

緋彩の瞳

美奈子×レイ小説[実写・前世では恋人]

遅くなって、ごめん END

「そう言うわけで、あなたは今日から私の彼女だから」
火照った頬を撫でて、チュッとバードキスをひとつ。
「私と付き合うんだから、これからもちゃんとアイドル愛野美奈子もしっかり応援してもらうし、空いているプライベートの時間は全てあなたに費やすのだから、私のスケジュールはちゃんとチェックしておくのよ」
「……わ、わかったわ……って、ちょっと待ってよ!」
「何よ。異論などないでしょう?お互いに好きなのに」
「あ、あるわよっ!別に好きじゃないわよ!」
魔法が解けたように、レイは美奈子を押しのけて、ゴシゴシと唇を袖で拭った。顔が火照っていることを鏡で見せてあげたい。それにしても、そんなにゴシゴシ擦ることないのに。
「は?じゃぁ、嫌いとでも言うの?」
「べ、別に嫌いでもないわ」
「ほら、だから好きなんでしょ?」
「ちょっ……な、なんでそうなるわけ?」
「なんで?あなたの態度そのものが、私を好きだと言ってるじゃない。私もあなたが好き、ほら、だから2人は恋人同士」
美奈子の描いた両想い方程式に、納得した顔を見せてしまうんだから、本当に恋愛が下手なんだろう。そこがかえって安心でもある。小悪魔のように心理戦を展開するような人だったら、きっと銀河千年の恋も終わったに違いない。
「納得できないんだけど」
「納得?私の彼女になりたくないとでも?私に愛されなくてもいいって?」

うわ、ぶーたれた顔して。
不服だけど、反論できないって…セリフが聞こえてきそう。
こういう子供っぽいところがあるから、からかうのが楽しくて仕方がない。
でも、無表情だったらもっと怖い。

「……意味分かんない。美奈子が私のことを好きだと言うことはわかったけど」
「私もレイが私を好きだと言うことはわかったわ」
「…………別に、嫌いじゃないだけよ」
レイは好きなんてセリフ、今までの人生で何度使ったんだろう。絶対使ったことないんだろうなって見てて思う。
「素直じゃないわね。ま、いいわ。今日がレイと私の恋人記念日だから」

美奈子は学生鞄に手を伸ばして、スケジュール帳をめくった。
「か、勝手に決めるの?!」
「記念日を作るのは当たり前でしょう?えっと、5月10日、恋人記念日」
仕事で埋め尽くされている手帳に、人生で初めてハートマークを付けた。
「………私、アイドルに興味ないんだけど」
「でも、愛野美奈子は好きなのでしょう?」
「………美奈子は私の友達で、仲間で…」
「でも、気になるんでしょう?」
「そ、それは…別に……」
「もういいじゃない?理由並べなくても。とにかく私の彼女なんだから」
「いや、だからなんで」
「嫌なの?」
「………」

あぁ、その困った顔。
凄く好き。

「嫌なんだ。そっか。……私、レイのこと大好きよ?好きで仕方がない。前世じゃなくて、今、現在進行形で愛野美奈子は火野レイが好き」

もちろん、ヴィーナスとしてマーズを愛していたけれど。
この際、それは棚上げしておこう。
今のレイに言えばややこしくなる。

演技は得意じゃないけれど、わざとらしい演技にならないように、切ない顔でじっとじっとその瞳を見つめ続ける。瞳を泳がせて逃げていたレイが、視線に気がついて顔をあげた。

ロックオン

ちょっと驚いた顔で美奈子の眼差しを見つめ返してくれる。

「……別に…嫌でもない……けど」
「………嬉しい、レイ。大好きよ」

あー
簡単
レイってわかりやすくて簡単だわ。
怒らせて、拗ねさせて、ちょっと真剣にして、最後は泣き落とし。


「明日から、ちゃんとメールの返信はしなさいよ。電話も3コール以内に出ること」
「………画像はいらない。見ない」
「じゃぁ、レイが私に画像を送ってもいいわ」
「……嫌よ。第一カメラの使い方わからないもの」
買った日に教えたのに、これなんだから……
「じゃぁ、やっぱり私が送るしかないでしょう?」
「……勝手にしたら」

レイ、もう愛を受諾したことになってるってことに気が付いていないみたい。
というか、OKと言うわけね。

うさぎには言えないわね。うっかり外で余計な話をしてマスコミにばれたりするかもしれないし。
アルテミスには、言わないとどこまでもくっついてくるだろうし。
まこと、亜美は……言わないと悪いものね。

「……っていうか…なんで私が…美奈子を好きなわけ…ありえない」

独り言をつぶやきながら、それでもレイは美奈子がニヤニヤしながら抱きついても、渾身の力で押し返そうとしない。

本当は、マーズの魂がヴィーナスに共鳴しているのかもしれない。
あの愛は全てだった。
マーズは愛の何もかもをヴィーナスにくれた。
ヴィーナスはそれに応えるために、使命を果たすとマーズに誓った。

『約束よ、ヴィーナス。もし生まれ変わったのなら、私を必ず見つけ出して。そして私を愛して』


遅くなって……ごめん


「ありえない、なんて言わないでよ。レイは私を好きなのよ」

マーズというより、火野レイのことの方が好物で。

「……だから、嫌いじゃないだけよ」

愛野美奈子として愛されたいと強く想ってしまうの。






愛していると一言↓
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Date:2014/05/15
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