【緋彩の瞳】 With U HARUKA

緋彩の瞳

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With U HARUKA


ふたご座流星群を見に行こうとあなたは言った。
私は少し厚めのコートを取り、髪を少し手で梳いて慌てて家を出た。
あなたはいつも突然が好きだから。
私はよく振り回される。
突然のハグも、突然のキスも、私はいつも驚いたままであなたの温もりを感じるまで少しの猶予を必要としてしまう。やっとあなたの背中を抱けるほどの心地よさを得られたらあなたは離れてしまう。少しずるいと思いながら。あなたの満足そうな笑みを見てしまうと結局許してしまう。

神社前で待っていたあなたはずいぶん寒そうな格好だった。やっぱり思いつきだったのか、薄手のシャツの上にジャンパーという格好だった。ネオンのない星降る夜明けを堪能するために、少しだけ遠い世界へ向かうことにする。子供のように無邪気なあなたの横顔は、呆れを通り越して何も言えなかった。遠い前世の頃は流れ星は不吉なものだったというのに。

あなただって分かっているはずなのに。

ネオンのない山奥では同じようなことを考えている人たちが、望遠鏡などを手にして待機していた。
あなたは残念そうな表情で私を見つめる。仕方がないからもう少しだけ奥へと進んだ。
あなたはロマンチストだから。
他人がいるのが悔しいはずだから。

「ねぇ、寒くないの?」
「全然。あ!見えた?!」
私はまだ流星群を堪能する準備ができていないというのに。東の空から降ってきた星の残骸を突然見つけて、私の肩を揺さぶる。
「ちょっと・・・」
無邪気な横顔は暗闇ではよく見えない。立ちっぱなしで疲れてガードレールにもたれて、やっと空を見上げる。
「こっちにおいでよ」

ひんやりしたガードレールにもたれかかると、すぐに私の腕を取って背中を抱きしめた。
「寒い?」
私はまだ突然舞い降りた温もりに、心がついていけなくて。
かろうじて頷いたまま固まった。
「下を向いてちゃダメ。星を見に来たんだから」
1つ。1つ。
星が流れて地上へと舞い降りるたびに、あなたは無邪気に叫ぶ。
「あっ。見た?!」
「見たわ」
その星たちのように突然あなたは私の心に舞い降りて。
私はただ、驚くだけ。
まるで自分が演出しているように、無邪気に喜ぶあなたの顔を見上げる。
「はるかさん」
あまりに無邪気に星ばかりを見ているから。

私はあなたの唇に触れたくなって、背伸びをして、突然のキスをした。

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Date:2013/11/08
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