【緋彩の瞳】 レイのKOKUHAKU

緋彩の瞳

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美奈子×レイ小説[実写・単発もの]

レイのKOKUHAKU

旧サイトのキリ番


最新のファッション雑誌を広げ、勝手に人の髪をいじっては唸って。
納得したように頷いては、髪を撫でて。1人クスクス笑って。
頬に吐息が触れる。
ドキッとする。
どうしてドキッとするの?

好き…かも知れないから?

「ありえないっ!」
自分で自分に問いかけながら、レイは即座に否定した。
隣でちょっとあわてたように美奈子がビクッとする。
ありえないのだ。自分に限ってそれはない。

“この”愛野美奈子に惚れる要素がどこにあるというの。

あの戦いが終わったあと、美奈子はしばらく仕事を休んでいた。
それはあの社長さんとの約束で、CMとドラマの仕事をこなしたご褒美だという。
生死を彷徨っていたはずの本人は、再生のついでにどうやら病気だけあの世に葬り去ったみたいだ。
一度検査をしたほうがいいっていう親切な助言も、鼻で笑っていた。
いわく“銀水晶の力”が身体を浄化してくれたらしいけれど。

胡散臭いけれど、ぴんぴんしている美奈子を目の当たりにしたら信じるしかない。

大体。

愛野美奈子がヴィーナスとして現れたときから、レイの周りではありえないことが現実として起こってばかりいる。
前世のオバケみたいなものと戦ったり。
死んだはずの人間が生き返ったり。
そもそも、自分がそういう戦いに巻き込まれているわけだし。
っていうか、アイドルの愛野美奈子が神社に居座っているし。
「レイはそんな愛野美奈子が凄く好きだし」
「そうそう」

……
「って、何で人の心の中まで読んでいるのよ!」
「あはっ。考えていることが思いっきり口に出ているのも気がつかないなんて、かわいいわね~」
レストランでレジの隣に置いてある、安っぽいおもちゃを与えられた子供じゃあるまいし。そんなに楽しそうに人で遊ばないで貰いたい。っていうか、頭を撫でないで欲しい。
「美奈子。いい加減に自分の家に帰りなさいよ!いつまで居座るつもりなの?」
「あら。1人で寂しいレイをこうやって慰めているのよ」
「寂しくないし、慰めも要らないわ。帰りなさい」
「もー。私のことが好きなくせに」
「すすす、すっ?!・・・」
さらりと声に“好き”を出す美奈子に、慌てふためいて目を見開く。
「す・き。なんでしょ?私のこと」
ずいっと近づけた可愛らしい美奈子の瞳は、目を逸らそうとするレイに“ちょっと嬉しいかも”っていう想いを起こさせる。
「…そ、そんなわけないわよ!美奈子が私で遊ぶだけじゃない!」
だけど、それは即座に撤回。
自分の考えを他人に言い当てられるっていうのは、素直に喜べない。
いや、そもそもありえない。

ありえないったら、ありえないのよ。

「レイさ」
人の部屋に転がり込んで、ダサいなんていいながらも人の服を勝手に使って、その代わりに無料でCDあげるからなんて別に欲しくもないCDを押し付けたりして。挙句の果てに、レイで遊ぶなんて。本当、いじめているような感じ。
「な、何よ?」
「本当は嬉しいんでしょ?私が生きていること」
遊んでいたレイの少し乱れた髪を指でつまみ、さらっと梳く。慣れた手つきで。その動作から逃げようと思えば逃げられたはずなのに、逃げたくないっていう気持ちが確実にある。
「…そ、そりゃ死なれるより。あなた勝手に死んで、残りの戦いを押し付けて…」
「泣いてくれたんでしょ?まことたちが言っていたわ」
「…な、泣いていないわよ」
「好きで好きで、もう、たまらなく好きだからワンワン泣いていたらしいじゃない」
何だか勝手に言葉が追加されている。
相変わらず迫ってくる美奈子の身体に、レイはどんどん部屋の隅っこに追いやられてゆく。
違う、違う。違う!って言う割には全然その効果は現れないし。
「勝手に決めないでよね!泣くわけないでしょっ!だいたい、美奈子がいなくなってこっちは迷惑していたんだから」
「…本当に?」

あんなにおもちゃで遊んで楽しそうな子供だった顔が、寂しそうに、それでいて真剣になるから。

「ほ、ほ、本当……」
綺麗な瞳が潤むから。

やっぱり、好きかもしれない。
「じゃないわよ」

にんまり。

「好きだから、心配してくれていたの?」
「…まぁ。そりゃ…」


「レイ、今…告白したわね?」

勝ち誇った顔。
しまった!

「し、してないわよ!さっきのは誘導尋問よ!」
「なによ、好きには変わりないじゃない!」
「な?!だ、だから好きじゃないわよっ!」
「なによ、あなたこの愛野美奈子を嫌いだというの?」
「そんなこと言ってないわよ!」
「ほら御覧なさい。ダメね。所詮あなたはサブよ。もっと精神的に強くなりなさい」
「意味わからないわよ!サブサブって、大体あなたは全然役に立っていなかったじゃない」
「それを言う?!今言うわけ?」

こうしてまた、美奈子の告白誘導尋問大作戦は失敗して。
レイの恥ずかしい告白もいつのまにか取り消されていて。


「あんたなんか嫌いよ!アイドルでも何でも勝手にしていればいいわ」
「レイになんて、もうCDあげないわよっ!」
「いらないわよ。興味ないわよ!」
「なんですって~!!!」

また、いつもの漫才が始まる。


「あーぁ、レイに好きって言わせて、キスくらいさせてやろうと思ったのに。まだまだダメね」
そんなことを考えていたなんて、レイには言えない美奈子だった。


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Date:2014/09/23
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