【緋彩の瞳】 君の好きなもの

緋彩の瞳

マリみて、舞乙、ワンピ

君の好きなもの

スカイピアにて~ナミ・ロビン・ゾロ組~

「好きなのよ、こういうの」
空島に到着して森に入った後のロビンの目の色は、おもちゃを与えられた子供のようなキラキラした輝きだった。ルフィたちのようにはしゃぐまではしないものの、吸い寄せられるように勝手に巨大な石の彫刻へと向かってゆく。
これは相当なモノ好きなのかもしれない。戦っても強いし、ついでに歴史も含めて相当な知識を持っている。怖いものがないんじゃないかと思って来た。
「ちょっと、ロビン。1人であちこち行くんじゃないわよ」
「大丈夫よ。1人でも平気」
今まで1人で生きてきたからという理由より、もう興味津々で居ても立っても居られない感じ。遺跡しか見ていない。ナミの注意なんてそよ風がたわごと呟いているくらいの扱いだ。
「何よあれ」
遺跡を撫でて、キスするんじゃないかっていう勢い。
あんな嬉しそうな顔、今まで一切見せなかったのに。
遺跡とは恋人ですか、ロビン。
「放っておけ」
まったく興味がない感じで、ゾロはさっさと森へ行こうといい出した。
「剣士さん、私も付いて行っていい?」
この場所以外にも遺跡はきっとゴロゴロと眠っていると感づいたのか、ロビンは。
何かすでにリュックに分厚い手帳や本を詰め込んで、探索ヤル気あります!みたいな格好。テンガロンハットもやけにお似合いだし。アラバスタのときもかぶっていたから好きなんだろうけれど。
「ちょっと、ロビン!あんたまで行くの?危険じゃない?」
戦力が傍からいなくなるなんて怖すぎる。
「いいえ、全然。こういう歴史のあるものって、身体が疼くのよね」
いやらしい表現なんだけれど。
命よりも探索って、ルフィじゃあるまいし。
「それにこれだけの遺跡があちこちにあるのなら……宝石の欠片でも出てくるかも」
「行く!連れてって!」
宝石なんて、ロビン!
そうよ、それよ。
心細く待つよりも、強い人間の傍にいた方が安全なんだし。なにより、宝石やお宝があるかもしれない。
「ロビン、連れてってよ!案内して」
「……私は遺跡の調査の方がメインなんだけど」
「それはそっちで勝手にどうぞ。でも海賊の本業はお宝を見つけ出すことよ」
死ぬ思いをしてここまで来て、何も手にしないでいられるか!
ロビンについて行こう。しっかり宝石を持って帰ろう。
チョッパーを置いて、ナミはつたを握り締めて50メートル下に降り立ったのだった。


まぁ、ロビンについて行ってもいなくても、空島に到着したという時点で十分に危険に身を置いているということは、わかっていたのだけれども、ね。



「………おねーさん、お手をお貸しください」
さっきから、行く道行く道………道ではない。ゾロもロビンも平気な顔して飛んでいくけれど。ナミはか弱い一般女子なのだから、あんなひょいひょいっていけるわけもない。
意地はって追いかけていたけれど、ジャンプしても落ちるだろう、という場面でナミはロビンを呼びとめた。
「いいけれど」
ニョキニョキと腕がナミを包み込んで。
「あんぎゃ~~~!!!!」
ひょいっと身体を放り投げるから。何かこれ、さりげなくいじめられているのではないかとさえ思ってしまう。
「……ちょっとロビン!」
航海士を大切にしないと、この先どこへも行けないのよ!文句を言おうと思っても、気がついたら見つけた遺跡を撫でて、一生懸命メモを取っているし。
そうですか、そっちの方が大事ですか。
何かあっても、助けてあげない。
心の中で自分に誓った。
ロビンはきっと、遺跡を追いかけるのに都合がいいから、ルフィのいるこの一味になることを選んだんだ、なんてひねくれた考えを持ちたくなってしまう。
「まったく、仲間の一番弱い人をちゃんと守ってあげるべきよ!」
鼻息荒く文句を言って歩いていると、足を滑らせて、せっかく手を借りて飛び越えた木々の間に身体がすっぽり入っていく。
身体、どう考えても落ちて行ってる。
「………ぎゃ~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!」
死ぬ!
「………死んでない」
何か、空中で浮いているみたい。
背中のリュックが枝にでも引っ掛かってくれたのだろうか。
「……ロビン」
あれだけ愛しそうに遺跡を撫でていたはずなのに、ロビンのたくさんの手が繋がっていて、ナミの背中のリュックサックをしっかりとつかんでいたのだ。
「うぅ~……ありがとう」
もう、腹が立ったり助けられたり、ロビンに振り回されている。
でもみんなの中で振り回されているのは、ナミだけのような気がするけれど。
きっと、自分よりしっかりしている女の人が仲間になったからなんだと思う。
嬉しいようで、妙にライバル心もあるけれど、でもなんだか頼りにしたい気持ちにもなるし、でもやっぱり敵でもあったわけだし。
わけがわからなくなってくる。
「大丈夫?」
「うん……」
大丈夫?って聞いている割には、凄く真剣な眼差しでメモを取ってこっちを見てはいないけれど。

……もっと、興味を持ってくれてもいいのに。
なんて、何を考えているんだろう。
ナミは気を取り直して、立ち止まる考古学者を置いてゾロを追いかけた。

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Date:2015/02/01
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