【緋彩の瞳】 ハレンチキン

緋彩の瞳

マリみて、舞乙、ワンピ

ハレンチキン

「ロビン、捕まえた」
アクアリウムバーでゆっくりお茶をしながら新聞を読んでいるロビンの背後から、ナミはふんわりと作った両の腕で、そっとその頭を抱きしめた。
甘い花の香りが心地よくて、おもわず鼻で艶のある黒髪にスリスリしてしまう。
「ロビン~」
せっかく抱きついても、“ん?”くらいの反応しかしてくれない。
だからちょっとだけ腕の力を強めてみる。
「ロ~ビ~ン~」
「なぁに?」
聞いておきながら、新聞のページをめくっている。
へぇ、アイスバーグさんの秘書、公募するんだ。………って、一緒に読んでどうする。
「構って」
「構ってって、どんな風に?」
どんな風にって。
こっち向いてチューしたり、チューしたり、チューしたり、つまりいちゃついたりするんだよ。

なんて、言えたらいいんだけれど。

「どんな風にってさ……ロビンが考える、構うってどんなこと?」
むしろ逆に質問。
ロビンの頭が右に傾いた。
これ、考えているわけだ。
その角度が何だか可愛い。
「………ひゃぁっ」
心の中でデレデレしていると、急に腰がこそばゆくなって思わず身をよじった。
ロビンのハナの手がくすぐってきたのだ。
「ろ、ロビンッ」
「構ってって言うから」
「ま、ま、ま…まってっ」
1本だったのに、それを押さえたらまたさらにハナの手が、2本、3本……ギブ!
いくつもの手がナミの身体をくすぐってくるから、もがき苦しみ、こそばゆくて呼吸もおかしくなってくる。
「構ってほしいのでしょ?」
「………ぅう~~!!!!」
くすぐる手は、いつの間にかナミの目を隠してしまう。
殺す気か?!真っ暗な闇に包まれてしまい、こわくなってロビンにしがみついた。
「ロビン~~!降参!」
抱きついた両の手には、柔らかな温もり。

あ、ロビンの胸。
どさくさにまぎれて触ってしまった。

「……ナミのエッチ」
消えた花びらにため息を漏らしても、手のひらの感触があまりにも心地よくて、ロビンに抱きついた両の腕はそのまま。
「ロビンが悪いんだよ?」
「……いつまでそうしているの?」
「こっち向いてくれるまで」
本当、やわらかい。
なんかもう、ちょっと鼻血出てしまいそう。
出てないかな?
心配だけどロビンに触っていたいから、確認するためにこの胸から手を放したくないし。
「って、そんなに速攻で向かなくてもいいんじゃない?」
「ナミがイヤらしいことを考えている気がしたから」
眉を困らせた形にして、ロビンが見上げてくる。
やばい。
チューしたくなった。
「……ねぇ、ロビン。私が本気でその、イヤらしいこと考えていたらどうする?」
キスはさせてもらえるし、一緒に寝て抱きついたりもできるけれど、今のところ清らかい関係の2人。大好きだって言っても、ナミがチキンなのか、ロビンの見えないガードが堅すぎるのか、胸に触ったのだって、これもまぁ嬉しいアクシデントなわけで。
「まず、この手をつねるかしら?」
真顔で言うなんて、寂しくなるじゃない。ロビンは、まったくもってそう言う気持ちをナミに持ってくれないとでも?
寂しくなるけれど、その分、逆に張り切ってしまうわ。
「………いいじゃん、触らせてくれても」
「ここ、みんなが来るわよ?」
「じゃぁ、誰もいない所だったらいいの?」
指の力を少しこめると、ロビンは持っていた新聞をテーブルに置いてナミの手を掴んできた。
「……ナミちゃん」
ロビンはしおらしくお願い事をしてくるとき、わざとナミを“ちゃん”付けで呼んでくる。
それがまた、可愛らしくて好きなんだけど。
「ロビン、構ってよ。じゃないと、もっといろいろしちゃうよ?」
いろいろって何だ。自分で突っ込んでみたけれど想像すると今すぐ鼻血の危機。
「意地悪ね、ナミって」
「好きだもん。大好きな人にはいっぱい触りたいって思うものなのよ」
構って、構って。
背中を抱きしめて、胸を柔らかく揉んでみた。ぴったり張り付いた背中から、ロビンの心臓の音がよく聞こえる。同じリズムだったらいいのに、ナミの方が数倍速い。
「いい天気だから、一緒に甲板に出てお花でも見る?」
「………はぁ~」
それも悪くない。きっと幸せすぎるくらい、優しくてやわらかな光景が目に浮かんでしまう。
だけど甲板に出たらうるさい奴らがいるんだろうと思うと、ロビンにこんなことできないし。
「ナミ?」
「うん。外で日光浴とお花と、あとお茶にケーキ。それでいいけど」
「けど?」
見上げてくるロビンの瞳じゃなくて、今はその唇に視線が集中してしまう。
あぁ、ダメ。
欲情しちゃう。
「………キスをさせてください」
胸にちゃんと手を置いたまま、ナミは“え?”なんて呟くロビンの唇を包み込むようにふさいでキスをした。


これ、手の感触と唇の感触で腰が砕けちゃうよ、ロビン。

大好き。

もう、欲望の赴くままに指に力入っちゃって、ロビンがそれを引き離そうとする力との戦い。
今だけなら勝つに決まってるでしょ?
ナミのイヤらしい気持ちはマックスをとっくに振り切ってるんだから。
「……ん~…っ」
パシパシって手を叩かれても、止まりません。だいたい、こんな胸元が大きく開いたシャツなんて着て、誘ってるって思われても仕方ないんだよ?それに、ロビンが本気で嫌ならハナの手を咲かせて抵抗するでしょう?しないってことは、本当に嫌じゃないってことでしょ?
舌を入れて、ロビンの歯をなぞって舌先で逃げるロビンの舌をつつく。
何度でも角度を変えてロビンを求める。
大好きだよ。
本当に大好きだからだよ。
ロビンは身体を逃がそうとしているけれど、背後から胸も身体もがっちりつかんでいるナミからは逃げられない。
何度も求めるように舌でロビンを犯していると、やっとこたえてくれるように、舌が絡み合った。
あぁ、もうダメだ。興奮しすぎて手が胸の膨らみを愛撫しようとするのを抑えられない。

「………っ?!!」
シャツの中を指がまさぐろうとするイヤらしい動きに耐えかねたのか、ロビンが思い切りナミの手の甲をつねった。
「った~!」
思わず唇を放して声をあげてしまう。唇がしびれるくらいキスしていたから、お互いの唾液がちょっと危険なことになっていた。これまた嬉しいけれど。
「ロビン……嫌?」
このまま続けていたら間違いなく素肌に触れていただろうから、ある意味場所を考えると止めてもらってよかったかもしれない。でも、やっぱりがっかりしてしまう。
「場所を……選んでください」
「つまり、選んだらOKっていうことでいいのね?」
「そう言う意味でも……」
ロビンが愛に濡れた唇を指先で拭うしぐさが、可愛いすぎてまたムラムラが襲ってくる。
「ロビンは、私が好きだと思うのが嫌なの?」
「まさか」
「ロビンは?ロビン、キスは好き?」
振り向いて、仔猫みたいな顔で何か言いたそうにするんだから。
可愛いんだから……
「ナミ、お花は見ないの?」
「質問に答えなさい」
ロビンったら、いったい何歳?嫌そうな顔をしていないところを見ると、悪い気にはならないけれどさ。
「嫌いじゃないわ」
「それ、言うだろうと思った。好きっていうことになるけれど、いいんだよね?」
お見通しです、ロビンの答えなんて。
つねられてもめげない手で細いロビンの腰に抱きついて、柔らかい頬にキスを一つ。
「……ナミ」
「私は好きだから。ロビンもキスも、……っていうかロビンの身体も全部」
「最後のそれ、イヤらしい」
ナミの髪を撫でてくれる、その掌も大好き。
「イヤらしくていいんです。健全な乙女の証拠よ」
ロビンはクスクス笑い出した。ナミもつられて笑った。
頬と頬をくっつけて、心臓のリズムが同じになれって願いを込めて抱きしめる。
「イヤらしいナミちゃん、構ってあげるから甲板に行きましょう?」
「仕方ないな~。ま、太陽が出ている時間は我慢しますか」
ロビンをひとしきり堪能して、ようやく解放する。冷めた紅茶を飲み干したロビンは聞こえているくせに、聞いていないふり。

本当、毎日毎日、大好き過ぎてそろそろ限界。

チキンを脱出するにはどうしたらいいんだろう。

とりあえず、腕立て伏せを頑張ろう。

「おっしゃ~~~~~~~!!!」
腕っ節さえ強ければ、押し倒せるしね。
うん。
電気もついでに消していれば、ロビンだってどこにハナを咲かせればいいのかわからないかもしれないし。
「ナミ、お花を見るのに何を気合入れてるの?」
「……ふふふ」
ロビンをまねして笑って見せたら、渋い顔で睨まれちゃった。

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Date:2015/02/01
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