【緋彩の瞳】 ”よしよし” ってして

緋彩の瞳

マリみて、舞乙、ワンピ

”よしよし” ってして



花壇のお花に水をあげたあと、アクアリウムバーでのんびり雑誌を広げていたら、ムスッとしたナミが勢いよく扉を開けた。
「ナミ?海図はもういいの?」
確か、サンジがお茶を淹れて持って行くと言っていたから、まだまだこれから籠るはず。
「ロビン」
ナミはまっすぐロビンに向かって歩いてくる。ここにいると言うことを分かっていて来てくれたみたい。
「……何かしら?」
やたら不機嫌そうだけれど。
「その手を大きく開いて」
「え?……こう?」
長椅子に腰かけていたロビンは雑誌を置き、首をかしげながらも言われたとおりに大きく手を開いてみた。
航海士命令なのだから。
「ついでに、その組んだ足もほどいて」
「何なの?」
左足にのせていた右足をおろして、正面に立っているナミを見上げる。
いったい次はどんな命令が下るのかしら。


「……ロビン~~」


命令はもうなかった。
その代り、ムスッとしたまま脚の上に乗って来て、甘えるように抱きついてきた。
「どうしたの?」
開いた両腕で抱きとめて、肩にうずめてきた頭を撫でると2呼吸分くらいのためいきが聞こえてくる。
「あ~~。……ブルックに紅茶こぼされて、描いた海図がパーになった」
「あらあら」
「気持が萎えた私を慰めてよ、ロビン」
「かわいそうに」
それで、ブルックが落ち込んでいた理由がわかった。
薬草が醤油にまみれたと言って、さっきキッチンで洗っていたチョッパーを横で見ていたけれど、あれもブルックが関わっているみたいだし。
「ロビン~~。もっと“よしよし”してよ」
本気で怒っているようには見えないから、もうブルックに言いたいことは言って、気持は切り替えているはず。
「ナミ、甘えたいのね?」
「……こういうときは、黙って“よしよし”ってしたらいいの。確認取らないで」
苦情を言われたので、ロビンは力いっぱい抱きしめてくるナミに少しの苦しさを感じながら、言われたとおりに頭を撫でてあげる。
「ロビ~ン」
「機嫌はもう治っているのでしょう?」
頬に鼻先をすりよせて、可愛く縋ってくるから。どこが怒っているのかわからない。
「まぁ、頭の中に海図は入っているから、ヤル気を出せばすぐに描ける。……ぶん殴って、蹴とばしたしね」
「あら、かわいそう」
「ちょっと、どっちの味方?」
甘える子猫のような目が訴えてくるから、ロビンは思わずクスクス笑って“よしよし”とまた頭を撫でる。
「もちろん、ナミに決まっているわ」
「ねぇ、ロビン。次のヤル気をチャージさせるために協力してよ」
協力と言っても、海図を描く手助けもできないし言葉で励ますくらいしかできない。
「そうね。……じゃぁ、気分転換に一緒にファッション雑誌見る?」
“よしよし”していた手を止めて、ロビンは存在を思い出した雑誌へと腕をのばした。
だけどそれをつかむ前にナミに阻まれてしまう。
「ロビンは、相変わらず鈍感だよね」
「ナミ?」
「構って、って言ってるの」

協力して=構ってなのね

とにかく、要するにナミの望むことをしないといけないらしい。
一緒に雑誌を見て楽しむというのは、“今のタイミング”ではダメみたい。
「そう?じゃぁ、もっと“よしよし”したらいいのかしら?」
「うん。あと、チューとかしてくれてもいいよ?」
「いいよ?なの?じゃぁ、別にしなくてもいいのね?」
“して”と顔が語っているから、あえてちょっと意地悪したくなる。
可愛いナミの拗ねた顔が見たいから。
「う~~…ロビンまで怒らせるの~~?」
「怒らないで。蹴とばされたくないわ」
「じゃ、チューして?」
ちょっとだけ怒っていても、可愛らしくお願いしてくるから。
まだ目を閉じて気持ちの準備をしていないその唇を奪った。

柔らかく触れるだけのキス。

「ちょっ……ロビン、ずるい!」
「そうかしら?他にして欲しいことはある?」
「もっと、ながーいキス。あと、なんならおっぱい見せ…っ…」
調子に乗って、こんな昼間から口にするべきじゃないことまで言いだしたナミの唇を覆うようにキスをして、優しく背を撫でる。

ナミの機嫌が直ったら、一緒に雑誌でも見ようかしら。
彼女の何か危ないスイッチが入らなければ、いいのだけれど。

関連記事

*    *    *

Information

Date:2015/02/01
Trackback:0
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback

TrackbackUrl:http://fireredfantasia.blog.fc2.com/tb.php/438-3c16c777
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)