【緋彩の瞳】 LOVER

緋彩の瞳

みちる×レイ小説

LOVER

「ねぇ、レイ」

その声が好き
落ち着いた、大人の人の声の色

音に色があるとみちるさんが教えてくれる

「レイ」
「ん?」
「どうしたの?」

声に艶があるって、みちるさんが証明している

「何が?」
「……この状況」

名前を呼ぶ声を聞いていたいから
ソファーにゆったりと腰を下ろしていたみちるさんの膝の上に乗って、
抱き付いて、その唇の傍に耳を近づけたまま


「別に」
「誘っているの?」
「今、お昼よ」
「じゃぁ、甘えたいの?」
「……そうかも」

柔らかい波のような髪に指を潜らせて、身体を摺り寄せる。
キスをしたそうに、唇がレイを求めようとしたけれど、わざとそれを嫌がる仕草を見せる。

「………レイ」

その、ちょっと拗ねた声も好き

「何?」
「キスさせて」
「嫌」
「……どうして?」


唇を重ねている間
その声でレイの名前を呼んでくれないから
レイのことを想う声が聞けなくなるから

「今は、そういうのじゃないのよ」
「そういうの?何なの?」

その不機嫌な声も好き
息を吸うわずかな胸の上下と
言葉を発するときの、瞬時に言葉を選んでいる仕草も

みていて飽きない


だけど、やっぱり今は声を聞いていたい。


「ねぇ、みちるさん」
「なぁに?」
「もっと、私の名前を呼んで」
「呼んでって……私の膝の上に乗っているレイを?」

何かあったの?って聞きたいようにひそめられる眉

ただ、好きなだけなの

「そう。声、好きなの。私の名前を呼んで」
「……レイ」

その、少しためらった呟くような声も好き

レイは猫が主に甘えるように、みちるさんの首に額をこすりつけて、もっと耳を唇に近づけた。
「レイ、私の声が好きなの?」
「そうよ」


みちるさんに、レイって呼ばれることが好き
その声にしか、身体は反応しないのだから

「……声フェチ?」
「違うわよ」
「そうよね」


みちるさんだから


『レイ』
吐息のように名前を呼ばれる声も
『れ~い』
ちょっと子供を怒るように呼ばれる声も
『レイ!』
明らかに怒っているときに呼ばれる声も
『………レイ、レイ、レイ』
愛に縋る声も


みちるさんだから


「ねぇ、レイ。それで、私は何回くらいレイの名前を呼べば、キスをさせてくれるの?」
その、おねだりする甘えた声も

「いろんな、パターンで100回くらい」
「………もぅ、レイ。じゃぁ、まずお手本を聞かせて。レイが私の名前を100のパターンで呼んだら、そのお願いを聞いてあげるわ」

「みちるさん、みちるさん、みちるさん、みちるさん…………」
レイは念仏を唱えるように息継ぎなく10回言った。
「………もういいわ。キスを諦めることにするわ」
唇に指先を押し当てると、ぱくりと食べられて、甘噛みされた。
「沢山、私の名前を呼んで」
「……ベッドの中でなら、何度でも呼んであげる」
「本当に?」
「えぇ。何度でも、呆れるくらい」


みちるさんの声が好き


その声で名前を呼ばれるだけで
たまらなく好きだと思い知らされるから




突発小説10分仕上げ!
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Date:2015/02/28
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