【緋彩の瞳】 Again and Again ③ (R18)

緋彩の瞳

みちる×レイ小説

Again and Again ③ (R18)

「……まだ何もしていないわ」
「でも……」
「レイ」
指だってまだ、うずめていないのに。触れてすらいない。一つの快感も与えていない。でも、約束は約束。吐息を吹きかけて、身体をレイの上に乗せた。
「嫌だった?」
「………嫌じゃないわ」
「何か気になるの?」
「そう、かも」
じっとみちるを見つめる、愁いを含んだレイのその愛らしい瞳。
「私、やっぱり上手じゃない?」
確かにレイのようなテクニックはないけれど、そのテクニックを使うことすらできないのが現状。
「……違うの、ごめんなさい」
レイの持っている感覚的なものと、みちるとの相性の問題なのかしら。
人一倍、あらゆる感覚に優れているせいで、何か気になってしまうことでもあるのかしら。
「………わかったわ。でも、一度ゆっくり話したいって思ってたの。本当に抱かれることが嫌なら、そうだと言ってほしいわ」
「そんなことない………それは、もう何度も言ったでしょ?」
あぁ、また同じ話をさせてしまう。それが機嫌を損なわせるってわかっているにもかかわらず。わかっていても、それでも、同じことを聞いてしまうのが情けなくなってくる。
「私、レイに感じて欲しいわ。私がレイを愛してること」
「愛してくれていることは知ってるわ」
「気持ちじゃなくて、身体中に感じて欲しいの」
逸らされた視線。身体ごと逃げようと、背中を向けようとする。血の乾いた傷跡が見える。そっと唇を押し当てた。もう、痛みはないみたい。
「………怖いって…思うの……」
「怖い?セックス…、私が抱くのが怖いの?」
みちるを激しく愛撫するときは、一つの迷いも見せないのに。
「よくわからない……けど、何て言うか、その…いろんなことを考え過ぎて、集中もできなくなるし、その……どうしたらいいのか、わからなくなってきて……」
抱きしめることを嫌がる仕草を見せるから、みちるは無理にこっちへ向けさせるようなことはせず、蒲団をしっかりと肩までかけて、その背に身体を寄せた。
「レイの中でも、まだ整理できていないのね」
面倒な性格の子を好きになっちゃったのはみちるだし、レイ自身もその繊細さや繊細な感覚を持っていることは、苦しいことだとはわかっている。
だから、みちるが安らぎをあげられたらって思うのに。
愛を身体中に刻んで、傍にいることの安らぎをあげたい。
「……みちるさんが……綺麗だから」
「レイの身体の方が綺麗」
きめ細やかな肌質で、真っ白くて、本当に綺麗。胸の形も、しなやかな腰のラインも。誰にも見せたくはない。
「ううん……私は、その、みちるさんの綺麗な瞳に身体をさらして、何て言うか、その……嫌われたりしないかなとか、がっかりされないかしらとか、見つめられて、恥ずかしいとか、色々…考え過ぎて、気持ちいいか、わかんなくなってしまって……」

あぁ、レイは
本当に馬鹿

可愛い馬鹿も、ここまで行くとかわいそうになるくらい、馬鹿なんだから。
「……お馬鹿さん。こっち向いて」
頭を撫でてそっと前髪をなぞると、目を赤くしたみちるの愛する人が、じっと見つめてくる。
「考え過ぎよ」
「……わかってるの。だから、その、時間をかけて愛撫してくれている間に、落ち着こうっていつも、自分に言い聞かせてる」
「それも考え過ぎ。レイが私を求めるような愛を、私だってレイにあげたいわ」
「………ごめんなさい、その……上手く出来なくて」
抱かれるレイが、上手いとか下手とかなんてないのに。みちるがもっとリラックスさせて、安心させて、欲しいって思わせなければいけないのに。
「謝ることじゃないわ。でも、そうね、何か一緒に考えましょう」
腕に唇を寄せて、甘く噛んだ。ピンと心に張っていた緊張の糸がすこし緩んだ気がした。
「……明かり、全部消してくれたら」
「見えないと、ほとんど何もできないのはレイだってよくわかっているでしょう?」
それに、レイの様子をある程度見ていたい。仕草を見たいのに。
「……みちるさんが目隠し」
「同じでしょう、お馬鹿」
「……言ってみただけよ」
ゆっくりとみちるに向きを変えてくれたレイは、誤魔化すように抱き付いてくる。散々赤い跡をつけてくれた胸に顔をうずめて、乳房をちろっと舌先でなぞられた。
「レイが感じるように、何も気にしないでいられたらいいのね?」
「そう、だけど。でも……みちるさんが綺麗な目で見つめてくるから、よ」
小さく身体を震わせる。汗が引いて少し寒いのかもしれない。みちるはガウンを着せようと、そのあたりに脱いだはずだとベッド脇に腕を伸ばした。ガウンのベルトが絡みつく。
「レイ。ねぇ、レイの目を隠すのは?」
「え?いや、でも……」
「集中しやすくなるわ。私の動きを見ないで、私だけを感じることができるんじゃないかしら?」
みちるの胸から顔を上げたレイは、眉をひそめている。みちるに目隠しって言った手前か、はっきりと嫌と拒絶しない。
「………あの、でも、声に出して。その、入れるときは……」
「いつもと同じことしか、しないわ。ちゃんと言うわ。外したくなったら、外したらいいから」
みちるは手にしていたタオル生地のベルトを見せてみる。
「嫌?」
「………わかった」
束ねていた髪をほどいて、起き上がったレイはおとなしくみちるに目隠しをされることに従ってくれた。
嫌なら、全力で拒否したに違いない。でも、たぶんレイの中の想像というか、それが嫌だという過去のデータが何もないから、嫌と言い切れないのだろう。
「どう?」
目を閉じたその瞼の上からベルトを巻いて、ずれないかを確認する。
「大丈夫」
「何も見えない?」
「見えないわ。みちるさんの気配はわかる」
レイの両手を取って腰に巻き付けた。冷たくなった身体を押し付けてくる。後頭部を右手で抱いて、ゆっくりと身体をベッドに寝かせる。みちるの腰にしがみつく腕に込められた力。
「大丈夫ね?」
「……みちるさんがどこを見ているのか、何もわからない」
「レイ」
見つめ合えない。その震える唇を奪う。
「ん………」
みちるにしがみついた両腕はいつになく、こわばっていて、それでも唇がみちるの愛を求めてくれている。貪るように求めても、レイには見えない。噛み千切ってしまいたい衝動を隠さなくてもいい。いつもと同じことを、なんて言いながらも、みちるの中では何か、レイに見つめられていないということが、少し安心できるような気がした。
レイの愁いを帯びた瞳と視線が合うと、痛いのかしらとか、大丈夫かしら、とか、やめたいって思っていないかしら、なんて言うことを気にしなければいけない。それがレイに余計なことを考えさせる原因だったのかも知れない。
「愛してる、レイ」
耳たぶのピアスを指先でなぞり、囁いた。呼吸を奪われて乱している。
「……知って、るわ」
愛しているという言葉だけは、何度も言っても怒られたりしない。知っているっていうセリフがいつも返ってくる。
みちるはそのつぶやきに満足して、さっきと同じように首筋からゆっくりと舌を這わせた。
「ん……ぁ」
みちるの髪をかき抱いて、胸を突き出すように体をよじる。いつもは腰から逃げようとするのに。視線を逸らすように、左右のどちらかに顔をそむている仕草もない。みちるに触れようとする腕の力からは、いつもの不安はさほど感じない。
「愛してるわ、レイ」
「っぁ……知って、る」
「何度でも言わせてくれるのでしょ?」
「そう、だけ……ど」
なぞる指や舌に小さく身体を震わせて、愛してると何度でも伝えたくなる代わりに、赤い花びらをいくつも胸に咲かせた。固くなった頂を口に含み、押し殺すため息を飲み込む胸を愛撫する。
「あっ…ん…あ…ぁっ」
自分から目隠しを外そうとしない。みちるの髪を指に絡め、身体をよじっては愛を感じてくれている。
「触れてもいい?」
さっき止められた蕾をそっと開かせると、嫌だと言う答えは返ってこなかった。大丈夫かもしれない。ゆっくりと舌先を押し当てると、息を飲む鎖骨が揺れる。
「気持ちいい?」
「……ん…」
足を開かせても、それほど嫌がるように押し返してこない。レイの右手を握りしめた。
「ん、…あ……ぁ、ぁ…」
舌先の動きに合わせて小さく震える腰と、きつく握り返してくる手。
「………んっ、…だ、ダメ……」
唇と舌で蕾を愛撫し続けると、腰が少し逃げた。気持ちがいいって、感じてくれているのが伝わってくる。みちるはまだ、指を中に埋めないで、蕾を強く愛撫した。
「……あっ…やっ、あぁっ……っ!」
顔を挟むように、腰が浮き上がって跳ねる。
「入れても大丈夫?」
小刻みに腰を震わせながら、小さく頷いている。握られた指の力が一度目の快感で抜けた。
「痛かったら、言ってね」
ゆっくりと右の中指を添わせる。珍しくレイは感じていて、わかりやすく濡れていた。素直にうれしくて、ほっとする。
「ん……」
「大丈夫?」
「……大丈夫」
握り合った手に、再び力がこもった。左手はシーツをきつく握りしめている。
「どう?」
「……大丈夫」
「私の指が入っていること、ちゃんと感じてくれている?」
「よく、わかる」
「私がどれだけレイをを愛しているか、感じてくれている?」
「………そんなの、ずっと前から」
言葉に詰まって、吐息を飲み込む顎のライン。乳房の膨らみ。どれだけ見つめても、不安な瞳で見つめ返してこない。
「そうね」
深く深く、指をうずめた。ため息のような、感じている吐息。
蕾を舌で刺激しながら、ゆっくりと指を中で泳がせる。
熱い。情熱という言葉が当てはまるくらい、レイがみちるを深い場所へいざなってくれる。
「あっ…ん…ん…あ…っぁ、ぁ」
シーツをさまよう左腕がみちるの髪を掴み、頭を撫でる。曲げていた足がせわしなく快感に揺れている。

もっと感じて
もっと求めて
もっと、深い場所へ誘って


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Date:2015/03/06
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