【緋彩の瞳】 だから、そっとキスをした。 ①(R18)

緋彩の瞳

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ポイ捨て小説

だから、そっとキスをした。 ①(R18)

2話目以降の内容に、十分お気をつけてください。





「……あぁ。おはよう、レイ」
「おはよう、みちるさん」
柔らかい感情が全身を満たしてくれている。心地いいと感じる。夢と現実の狭間の中をさまよって、愛する人の安らぎの声と温度で目を覚ます。
この瞬間に、言いようもない幸せを感じずにはいられなくて
生きているって感じるの

「起きた?」
「えぇ。ねぇ、レイ、キスして」
ベッドサイドに腰を下ろして、みちるの頭を撫でてくれていたレイのその手を取り、甘えた声でキスをねだる。
「えぇ。いいわ」
頬に添えられた手のひらは、ほどほどに優しい温度だけど、キスはちょっと冷たい。
「朝ごはん、食べる?」
「そうね。でも、先にシャワーを浴びてくるわ」
「わかった。待ってるから」
黒髪のその頭を胸抱いて、彼女のわずかな匂いで肺を満たす。バスルームに向かう後ろを追いかけて、レイはキッチンへと消えて行った。焼いた魚のいい匂い。今日の朝食も和食らしい。


「いただきます」
炊きたての玄米と、暖かいお味噌汁。焼き魚にほうれん草のお浸し。だし巻き卵。シャワーを浴びたら着替えの服を置いてくれていたので、それに着替えて、椅子に座ると朝食が並べられた。
「美味しい?」
「当たり前よ」
「よかった」
口角を少し上げてほほ笑む、その照れているような姿を見るだけで、満たされてしまうのだけど。みちるはご飯を食べながら、今日は何をしようかしら、と考える。
「今日、どこかへ行く?」
「えぇ、いいわ」
「いいお天気だものね。公園にでも行きましょうか?」
「そうね」
レイの手を引いてベッドで絡み合ってもいいけれど、四季をレイと感じる喜びはやっぱり大事。食事を終えてレイの服を着替えさせて、綺麗に髪を編み込んでアップにしてあげた。
「可愛いわ」
「本当?」
「レイはどんな髪型も似合うわ」
「そう?嬉しい」
それなりに人もいるけれど、気にしないで手を繋いで歩く。人は人が思うほど、他人に興味はないし、指を刺されたとしても、指を刺した本人だって、5分もしたらそのことを忘れている。
そういうものなのだから。
持ってきたレジャーシートを木陰に広げる。デニムを履いているレイが腰を下ろして、みちるはその足の間に身体を預けた。

細く小さな木漏れ日たちが愛する人を照らして、美しさをみちるの瞳に焼き付けさせようとする。
「レイ、私のことを愛してる?」
「愛しているわ。みちるさんのことを、深く愛してる」
「……私もよ」
「えぇ。知っているわ」
「もっと、私をしっかりと抱きしめて」
細い両腕をみちるのお腹に絡みつかせて、愛を縋った。きつく、だけど優しい絶妙な力加減。
しばらくじっとこうしていたい。みちるは首筋にキスをして、目を閉じた。



レイの作った夕食を食べて、1人でお風呂に入る。広いバスタブに肩まで浸かって溜息を深く吐いた。レイは食器の片づけや、明日の朝ごはんの下準備をしているだろう。お世話をさせているみたいだけれど、本人が進んでやることを辞めて欲しいということは言わない。愛してる?って聞いたら、愛しているって答えてくれる。抱きしめてと願えば、真っ白い腕がみちるの背中を抱き留めてくれる。
「レイ」
「みちるさん。お湯の温度はよかった?」
「えぇ」
「髪、乾かしてあげる」
「お願いするわ」
髪が傷まない、絶妙な距離にドライヤーを保って、地肌をくすぐる指先。ゆっくりと優しく髪を指に絡めて、ウェーヴを描くみちるの髪を撫でてくれる。
「ねぇ、レイ」
乾かしてくれたお礼に唇を重ねて、その艶のある髪を撫でる。
「なぁに、みちるさん」
「セックスしたい」
「えぇ、いいわ」
レイを先にベッドに寝かせて、みちるはライティングディスクに置かれている、開かれたままのノートパソコンをチェックした。外に出かけるときは持ち歩き、家にいるときは、こまめに画面をチェックするようにしている。レイとの時間を確保するためには、これは仕方がないことだし、こうしなければ楽しい時間を過ごせない。
「みちるさん、大丈夫?」
「えぇ、問題ないわ」
「明日の予定?」
「えぇ。ほら、明日はせつなたちが来るから」
「そう」
カタカタとキーボードを打ってEnterキーを押すと、OKという文字が出てくる。みちるはホッと小さくため息をついて、そっと横たえているレイの身体の上に乗った。
「上に乗っていたいのね?」
「レイを見下ろしていたの」
「そうなの?」
「して、レイ」
唇を重ねながら、愛してくれる手のひらに身体をよじる。
その瞳、その唇、その指先。
足の間をなぞる指がみちるの奥を攻めて、跳ねる身体をレイに押し付けて、感じているってその魂に伝えたいから。
「気持ちいい?」
「えぇ。もっと、して」
「わかっているわ」
こんな風に何度でもレイを求めて、何度も何度も果てて、それでもレイに縋り付いていたい。
「レイ、愛してるわ」
「私も愛しているわ」
「あなたしかいらないわ」
「みちるさんだけよ」
唇を重ね合わせながら、快感を与えられて身体が躍る。
何度でも何度でも。やめてとみちるがちゃんと言わない限り、レイはいつまでも、みちるを愛してくれるって知っている。




夜中、ふわりと意識を取り戻した。サイドライトをつけてみちるはガウンを着ると少しふらついた身体のまま、起きる時間をセットして画面を確認した。明日は7時に起きるつもり。
9時に亜美とせつなが来る。
「……ちゃんと服を着るんだから」
気を失ったみちるは裸身のまま。
レイはちゃんと寝巻を着て静かに眠っている。
まったく、どこまでもきちんとしている。
「お休み、レイ」
ひんやりとした唇にキスをして、ライトを消した。




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Date:2015/03/25
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