【緋彩の瞳】 だから、そっとキスをした。 END

緋彩の瞳

ポイ捨て小説

だから、そっとキスをした。 END




ロボットを抱きしめて瞳を閉じる、愛する人
やっと、決心をしてくれたその夜
そのすぐ傍らで、とても自分によく似たロボットの操作用パソコンの前に立っていた。
『……えっと……』
コマンドと、メッセージを打ち込む。プルートは必ず想いを受け取ってくれるだろう。あの身体にはもう、火野レイとしての想いは何一つ残っていなくて、ただ、新しく生まれ変わるためには、あの身体ごと、この地球から消えなければならないのだ。
『ごめんね、こんなに……苦しい想いをたくさんさせて』
星の再生に未来を託して、レイという命を終わらせても、恐れることなど何もないって思っていた。必ず帰ってくる。その未来を信じていた。だから、完全に死んでいない火野レイの身体がいつまでも、星としての再生をさせてくれないことが寂しかった。

ずっと待ちわび続けた、再生が始まる
何も失うものなんてない
必ず帰ってくる

『REI-002、彼女を愛してくれてありがとう』
静かにREI-002が目を開けて、マーズを捉える。そしてまた、音を立てずに目を閉じた。

『愛してる、みちるさん。また、必ずあなたの元に帰ってくるって、この子が伝えてくれるわ』

安心して、火野レイの肉体をこの世界から消してくれたらいい


だから、幻の火野レイは
そっと
みちるさんにキスをした



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Date:2015/03/26
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