【緋彩の瞳】 チャレンジ140 まとめ③

緋彩の瞳

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チャレンジ140 まとめ③

「じゃぁ、明日9時にね」
『わかった』
待ち合わせ場所を言わなかった
レイちゃんはわかったって返事したけどいいのかな
「おはよう、レイちゃん」
「おはよう、美奈」
「待ち合わせ場所、言わなかったのに」
「あぁ。あんたはきっとここを指定するって思ったから」
私のこと、好きでしょ?


「水野先生、私、レイちゃんのことを考えると胸が痛くて、でも痛いのに笑いがこみあげてくるんです」
「美奈子ちゃんにとっては、普通のことじゃないかしら?」
「でもでも、レイちゃんが”美奈”って呼ぶたびに、今すぐにでも、押し倒したくなるんです」
「病院じゃなくて警察に行きましょう」


「無防備な寝顔見せつけるんじゃないわよ」
本を読んでいたはずの彼女が目を閉じて、ページをめくる手を止めている。
そのしなやかな黒い髪を指でさらりと梳いた。
「キスしちゃうわよ?」
繰り返す呼吸の狭間にある小さな沈黙
「本当にしちゃうわよ?」
微かに震える瞼の上に唇を押し当てた


「その締まりのない顔、何とかならない?」
「なんでよ」
「だらしない」
「レイちゃんに会えて、うれしいだけじゃん」
「……あのねぇ」
「仕方ないわよ。だってさ、レイちゃんにカッコよさを見せたいなんて思ってないもん。会えてうれしいって、それ以外のこと考える余裕なんてないよ」



「どうして私にキスするの?」
好きだから
「どうして私と手をつなぐの?」
好きだから
「どうして私に触れるの?」
たまらなく好きだから
「どうして私のことが好きなの?」
それが知りたいから付き合ってるの
「答えが出たらどうするの?」
大丈夫 死ぬまでレイちゃんを愛するだけよ


「レイちゃん」
名前を呼ばれるたびに小さく身体が震えるのは
その声を愛しいと感じてしまうから
この心は愛が欲しいと待ちわびている
指先が触れてくれることを待ちわびている
「レイちゃん」
この唇が言葉を紡げなくても
何色にも染められない愛を与えてくれるから
受け取ることがすべてなの


「レイちゃん」
呼ぶ声に小さく瞼を震わせる
抱きたいという感情を差し出しても
受け取る彼女は言葉を紡がない
愛しいと思い触れる指先を静かに受け入れてくれても
「レイちゃん」
交わす視線は1秒も満たない
それでもいい
愛は差し出すためだけに存在しているの
彼女が私にそうさせているの


「これ、あげる」
「いや、いらない」
「なんで?ヴァレンタイン限定のセーラーVチョコレート」
「気持ち悪いわ」
「ひ、ひどい!」
「食べるのも嫌だし」
「うーん、確かに食べられるのは嫌かも。じゃ、飾っておいてよ」
「もっと嫌」
美奈の視線が部屋の中にあるなんて、何となく……嫌


「グーチョキパーでグーチョキパーで何作ろ~何作ろ~♪」
いきなり美奈が歌いだした。
こういうときは身に危険が及ぶと分かっている。
「左手がパーで、右手もパーで」
思い切り広げた手がレイの頬を包んだ瞬間
「レイちゃんにちゅ~!ちゅ~ちゅ~ちゅ~♪」
ここはクラウンパーラー。全員集合


遠い昔に ちゃんと愛しきっていれば
こんなに苦しまなかった
それともこれほど苦しいということは
あの頃よりも、愛しいと言う気持ちが深いのだろうか
「愛してるよ、レイちゃん」
「そんなもの、いらないわ」
「そっか…そうだよね」
愛して欲しいと望まれたことは一度もなかった
罪が痛い


「レイちゃん好きよ」
「はいはい」
「好きよ、とても好き」
「はいはい、わかってるってば」
「何その、もう聞き飽きたみたいな態度?」
「別に?あんたが言いたいから聞いてるだけよ」
「うん、何だ、よくわかってるのね。言ってくれていいよ?」
「馬鹿美奈」
私のこと、好きでしょ?


この身体に宿る魂は、あのお方のもの
この手に持っている剣も、あのお方を守るためにある
この瞳が見つめる世界を、あのお方のために守るの
私の強さは、あのお方のためにある
だから、私の弱さはあなたのもの
あなたの弱さも、私だけのもの
マーズ 、傍にいて 傍にいて 私を……愛して


「ヴィナ」
「ん?」
まっすぐ見つめるその先に、真っ白いドレスの裾が見える
「……何でもない」
「どうしたの?」
ヴィナの魂はあのお方だけを見つめている
その肩にそっと頭を置いて身体を預けた
「マーズ?」
その瞳は私を捉えない
それでも、私はその瞳を愛しいと感じている
これでいい


「にゃ~」
「ルナ、おいで」
当たり前のように頭をなでて抱っこする。
レイちゃんは小動物に弱い
「にゃ~」
「………」
「にゃ~~……」
「……」
「だから、にゃ~~」
「……何、美奈」
「撫でて、抱っこしてよ」
「猫になったらね」
「三日月パワートランス……」
「バカ美奈!」



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Date:2015/04/11
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