【緋彩の瞳】 Bright Red (R18)

緋彩の瞳

美奈子×レイ小説

Bright Red (R18)

「レイちゃん」
蒲団を2組敷くことを、無駄なことだと思い知らされたのはどれくらい前だろう。
「……ねぇ、レイちゃん」
「ん?」
必ず背中を向けて眠る。それはもう、癖。
美奈と向かい合って眠りに就くということに、2年経ってもまだ、馴れたりしない。
名前を呼ばれて、必要を与えられない限り。

肩を引き寄せられて、背中にジワリと感じる美奈の体温。
当たり前のようにその右腕はレイの腰に回されて、許可なんて求めずにシャツの中に侵入してきている。
「明日の夕方、はるかさんのお家でのパーティーさ、待ち合わせして行くでしょ?」
「あぁ、そうね」
乳房を包む手のひらの温度は、レイよりも暖かくて
指先の動きが緩やかに刺激する
「まこちゃんとみちるさん、いっぱいお料理作ってくれるって」
「楽しみね」

首筋に押し当ててくる鼻先
子猫が甘えるように
その吐息が耳元に届いてきて、それだけで背筋に緊張が走る
それを隠せないことはわかっている

「レイちゃんの誕生日を一緒にお祝いするの、まだ2回目ね」
「そうね」
優しく引き寄せられて、抗わずに振り返った。

どうしようもないほど眩しい光を抱いた瞳に、見つめられるこの瞬間
感情というものが心臓に近いところにあるのだと、思い知らされてしまう

「……ねぇ、美奈」
わずか数センチもないかもしれない
その唇と唇の触れ合う距離
見つめる瞳のその輝きが、レイの理性を奪いに来る
奪ってほしいと言わせようとする
「あ、欲しいって思った?」
「それは、そっちでしょ?」
「うん」
美奈は時々、目を閉じないでキスをする
その視線を浴びている間は、だからレイも目を閉じられない
重なり合う唇
それだけで美奈の瞳の色が瞬時に彩を変える
それを見たくて


「この時間からエッチしたら、12時になったときにお祝いできないかな?」
「別にいいわよ」
「それもそっか」
さらりと靡く亜麻色の優しい髪を指に絡めて、愛欲に深く沈み込んで
ずっと身体のどこかが触れあっていることに、言いようもない痛みを心臓に感じる

それを愛だと、美奈が教えてくれた

愛というものの煩わしさを、美奈は進んで引き受けてくれるから
ただ、身をゆだねるだけでいい
それでいいと、美奈は言うから


「どう?ここ、好きでしょ?」
「ん……あっ……」
「もっと、声聞かせて。もっと、私のことを想って声を出して」
その指先が示す先に待つのは、無垢な感情で
たぶん、それが美奈の言う愛なのだと思う
「美奈……もぅ…」

この人に愛されたいと希う身体
この愛になら抱かれていたいと強く希う

「あっ、だめっ……っ!」

この愛だけを信じていれば
生きて行けるのだと


「大好きよ、レイちゃん」
「………知ってるわ」
身体の中に埋められた指
一つになったまま、美奈の背中にしがみついた
「お誕生日、おめでとう」
耳元で年に1度だけの、人生で2度目の美奈からの言葉
「……ありがと、美奈」
「もっと、欲しいでしょ?」
見つめられるその瞳から、かろうじて逃げ出して
それでも小さく頷いた

「美奈」

緩く優しく、歌うように刺激する
想いを身体の中に染みわたるようなその指先が
世界の果てへ誘うのなら
喜んで行くのだと思う

深く身体にしがみつき、絡ませているその左手を取って唇を押し当てた。

「ずっとずっとしてあげる。何度も何度も愛してあげる」
「……殺すつもり?」
美奈は絶対に1人になんてさせない人だから
「欲しいって、瞳が言ってるんだもの」
「……じゃぁ……連れて行って」
「うん」

愛の星が散りばめられた夜
愛が煌めく瞳を持つ女神
愛という響きを身体に伝えてくれるその全て

「美奈、美奈っ……美奈………」



セックスのあとはいつも、力尽きた身体を抱きしめられて眠りに就く
しがみつくように、そのなめらかな鎖骨に顔をうずめて
素肌を甘く噛む
抱かれるたびに、いつも同じ場所に付けるその刻印

「レイちゃんってほんと、私のこと好きよね」
「………さぁね」
「それ、今年の夏もちゃんと隠れるところにしてよね」
「考えとくわ」
「見られたら、レイちゃんが付けたって言いふらすから」
レイは何も答えずに縋り付いて目を閉じる。
朦朧とする意識をつなぎとめる理由もないし、気力すらない。
「お休み、レイちゃん」




縋りついて素肌が触れあっているその間に
想いが伝わればいい
そんなことを願いながら

「……美奈」

愛する人の名を囁いて眠りに落ちた






Happy Birthday To Rei
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Date:2015/04/17
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