【緋彩の瞳】 恋試し END

緋彩の瞳

みちる×レイ小説

恋試し END

拉致されるようにここに連れてこられて、神社の防犯カメラから相手を割り出して、最終的に、どうしてみちるがこんな風に攻められなければならないのか、よくわからないけれど。
「あなたたちは……私に何をさせたいの?」
へたくそな関西弁でビビらそうとする美奈子。
「そんなこともわからないの?みちるさんはあの無限学園の生徒でしょう?偏差値も高いはずなのに」
メガネの奥で怖いにらみを利かせている亜美。
「私たちのレイちゃんを差し出す相手として、適合しているかどうか、やっぱりもうちょっと精査する必要があるんじゃないの?」
料理が上手なまことも、今は暴力的にしか見えない。
「………応援してくれているっていう、ものすごくわかりにくい態度なの?」
みちるは恐る恐る、それでも聞きたかった。うさぎも含めて4人は、みちるがレイを好きだと言うこと自体、否定していない。
ボコボコにするようなこともしてこないし、亜美の目の前で番号を交換したけれど、それも阻止されるようなこともなかった。
「うぬぼれない方がいいわ。任せられないって判断したら、傍にさえ近づけないようにすることくらい、簡単よ」
「………どういうことなの、亜美」
「みちるさんが真剣に付き合うつもりなら、レイちゃんを差し出してあげてもいいっつってんの。4人の意見は一致してる。あとはみちるさんのやる気だけの問題」
亜美に聞いているのに。人差し指をピンと立てた美奈子が答えてくる。レイはこの子たちの所有物か何かなの?
「まぁ、でも電話もしないし料理作ってあげないんじゃ、全然だね。胃袋さえ掴めてないなんてさ」
それほど仲良くないのに、せっせとご飯を作りに通えと言うことかしら。残念ながら、みちるだってそこまで毎日暇が取れる訳じゃない。
でも、それくらいする覚悟と誠意をこの子達に見せなければ、認めてもらえないらしい。

なぜ、この子達に認めてもらわなきゃダメなのって、心の中で叫びながらも
でも、レイのことをよく知っていて、レイと仲良くなるためには、絶対に味方につけておかなければいけないのだと言うことは、わかっている。

「………あの子に本気になってもいいのね?」
「レイちゃんは、相当ハードル高いわよ。はっきり言って、メンドクサイ相手だからね。真剣に落とすつもりがないなら、今すぐみちるさんをボコボコにしてやる」
レイというより、レイを取り囲んでいる子たちの方が面倒な気もするけれど。
でも、この子たちはみちるとレイがデートをしても、仲を引き裂くようなことをしてこなかったのだから、応援していると言うことは、嘘じゃないと思いたい。あとは、みちるの本気を確認したいだけなのだろう。

娘を嫁に出す父親みたいだわ。


みちるは、取りあえず毎日レイに電話をしようと心に決めた。ヴァイオリンもあるし、何よりはるかと一緒に敵のことでバタバタとしているから、頻繁にレイと会うことができる訳じゃない。それでもちゃんと、みちるがレイを好きだと言う想いを分かってもらえる行動は、しておかないといけない。


「………がんばります」

どうしてこの子達に、威圧されなきゃいけないのかしらなんて思いながらも。
すっかりペースに巻き込まれてしまっている。

「よし。じゃぁ、土曜日にね。あ、まこちゃんがケーキ作るんだけど、その権利はどうする?」
「私が作るわ。喜んで、作らせていただきます」
本音を言うと、そんなにお菓子を作ることは得意ではないけれど、取りあえず、帰りに本屋に寄らないと。この前和食の料理本を買ったところなのに。
ケーキも和食も、得意にならなきゃ。コツコツ何かを得るというのは、みちるは嫌いじゃない。それに、レイが喜ぶのなら。
「……不安そうな顔だなぁ。手伝おうか?」
「本当?」
「だって、失敗してできなかった方がダメージ大きいよ?誕生日にケーキがないなんてさ」
まことが、黙っていられないと言わんばかりに憐れんだ感じで、手を差し伸べてくれる。
1人でやる気はあったけれど、いきなり失敗っていうことは確かに怖い。失敗しないなんて言いきれないのは、そんなに何度も作ったことがないから。
「………それもそうね」
みちるは当日朝10時に待ち合わせをして、まことのマンションではなくて、みちるのマンションに招くことにした。明日中に材料と必要な機材をそろえないと。
「よし、じゃぁ解散。明後日ね」
すっかり外は暗闇に包まれている。何か、言いようもない疲れが身体を包み込んだ。
応援してくれるのなら、そっと見守るくらいでいいわって、言いたいような言えないような、よくわからない感情がある。
でも、まだまだみちるはレイのことを知らなくて、レイもこの子たちに心を許している以上、愛するならば、すべて含めなきゃいけないのだと思うことにした。




明後日、ちゃんとレイにケーキを食べさせることは出来るかしら。
眠れぬ夜が始まろうとしていた。




HAPPY BIRTHDAY TO REI
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Date:2015/04/17
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