【緋彩の瞳】 チャレンジ140 まとめ⑥

緋彩の瞳

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チャレンジ140 まとめ⑥

「何、ハル」
『いつも通り、ただ声を聞きたいだけだよ』
「それだけ?」
『16歳の最後のレイの声だ』
「あぁ、そう言うキザな言葉を言いたかったのね」
『でも、レイも僕のキザな言葉を聞きたかったんだろ?』
「っていうか」
『何?』
「会いに来ないの?」
『……待ってろ』


「レイちゃんの誕生日のことなんだけど」
「半年先よ?」
「えぇ、今から予約をしておこうかなって」
「予約?」
「レイちゃんのスケジュール」
「大丈夫、亜美ちゃんと一緒にいるってもう決めているわよ」
「本当?」
「天才のくせに人の気持ちには鈍感よね」


「レイ」
『……何』
「おめでとう」
『みちる、ここ何年か12時に電話してくるけど、別にいらないわよ』
「私が一番じゃなきゃ嫌なのよ」
『……隣に美奈がいるから』
「幼馴染とどっちが大事なの?」
『どっちも』
あなたが生きていることがどれだけ幸せか


「レイちゃん、誕生日おめでとう」
「え?ありが……ちょっと待って、今日はまだ16日」
「うん!」
「何を企んでいるの?」
「なんかもう我慢できなくて」
「何か違うと思うわよ」
「嫌?」
「嫌っていうか、生まれてないわよ」
「えっとじゃぁ、これから生まれるレイちゃんに」


「美奈、何してるのよ?」
「夢の準備」
「枕の下に何隠したの?」
「写真」
「誰の?」
「レイちゃん」
「気持ち悪いわ」
「酷い。夢の中では素直なのに」
「じゃぁ、そっちと付き合えば?」
「素直すぎるのはレイちゃんじゃないよ」
美奈子の欲しい反応は、素直だけじゃないって。


「決めた」
「……何を」
「レイちゃんへの有り余る愛を世界中に拡散するわ」
「は?……拡散?」
「チュー写真撮ろう。そしてばら撒こ……ゴフッ!」
「あんた、何しに生まれ変わってきたわけ?」
愛野美奈子は、火野レイに息の根を止められた。
「……チューを」
「生き返るな!」


世界っていうものなんて知らない
世界なんてものもいらない
みちるさんが
その存在が体に染みわたり
満たされた思いは
何かを望むという気持ちなんていらないと
魂にささやきかける
これは愛欲
その罪で体が穢れることを
強く希う
そしてそれを声には出せずに。。。ただ。。


みちるさんがいない、みちるさんのベッド
広くて冷たくて静かで息苦しい
遅くなるときは、先に寝ていてなんて言うけれど
隣に眠る匂いや温度、吐息がなければ
心が落ち着かない
でも眠れないってばれないように、寝ているふりをする
想いは、この言いようもない感情は
とても胸が苦しい


「え?」
後ろから抱きしめられた
「みちるさん?」
「大丈夫、私はここにいるわ」
「どうしてわかったの?」
背中を抱きしめられたい なぜか、ふとそう思った
「レイの背中が、抱きしめてって訴えてきたわ」
「じゃぁ、次の願いは何だと思う?」
耳元で囁いて欲しい言葉があるの


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Date:2015/04/24
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