【緋彩の瞳】 チャレンジ140 まとめ⑨

緋彩の瞳

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チャレンジ140 まとめ⑨

「何なの?」
満面の笑みで近づいてくるから、警戒していたけれど
いきなり左手を取って、薬指をその口の中に入れてしまった
「ちょっと、美奈」
舌の感触だったのに、歯が押し当てられて痛みを与えられる
「美奈」
解放された指にくっきりと赤い歯型
「なにすんのよ」
「好きって刻んだだけ」


「ん、痛」
「亜美ちゃんどうしたの?」
「目に何か…」
壁にもたれていた亜美ちゃんが痛そうに眼をこする
「大丈夫?」
近づいてそっと顔を覗き込んでみる
「こらこら!!ちょっと何で壁ドンしてんのよ!レイちゃん、相手が違うでしょう?」
「美奈、何なの?」
「私にしてよ!」
「……」


「レイちゃん、あ~ん」
「いらない」
「何よ、ほら。食べさせてあげるってば」
「いらないってば!」
「冷めちゃうでしょ?」
「いらないったらいらない!」
「ちょっとみちるさん、レイちゃんがいじめる!」
「2人とも、私が間にいるのに、いい加減にしなさい」
「見せつけてんのよ!」


「レイ、台本読み手伝って。ここを読んで」
『ねぇ私を抱いてよ。どうしてキスをしてくれないの?』
棒読みしたレイは、思わず首を傾げて美奈子を見てみた
『悪かった。素直になるよ。おいで』
「……ちょっと待って!何よこれ!」
「だから、台本」
「絶対嘘。美奈子は何歳よ?!」
「ちっ」


「何よ」
「ふふ、壁ドン」
壁にもたれて本を読んでいたら、美奈がいきなり真正面に来るから。
「は?何それ、食べ物?」
「……あのさ、ムードぶち壊さないで、黙ってキスされたらいいのに」
「なんで黙ってキスされなきゃいけないのよ、本読んでるんだけど?」
「……どうもすいません」
失敗


「亜美ちゃん、私とあまり仲良くしない方がいいわ。みんな、私を白い目で見るから。
その、そう言う人間の傍にはいない方がいい」
「嫌よ。私が雨に濡れてずぶ濡れになったら、その優しい炎で温めてもらうんだから」
「でも」
「私にはレイちゃんが必要だから。それにもう、もう友達だから」


遠く離れた場所から見つめているだけでよかった
瞳が重なる距離になって、触れ合える関係になって
その瞳に映し出される自分の姿が
ひどく醜いのではないかと感じてしまって
憧れのままでいたあの距離でいられたらって
時々本気で考えたくなる
好きだと気が付かないでいられた
あの頃に


「母の日にはカーネーションを贈るんだよ」
「パパ、カーネーションを買ってくれる?」
「2人が大きくなって自分で稼げるようになったらそうしたらいいさ」
「レイ、幼稚園でせつな先生が育てていたよ!あれは?」
「美奈それって泥棒よ」
「でもみちるにあげるなら許してくれる」
許されません


「ちょっと王子様、ガラスの靴を私にはかせるだなんて。とても危険だわ。それに人の体重を支えるガラスの強度を考えた場合、鉛をどれだけ使う必要があると言うのかしら。そしてガラスの厚みを計算すると、とてもガラスの靴は私がはけるようなものとは言い難いわ」
「……ごめん、亜美ちゃん」


シンデレラ亜美
継母みちるさん
意地悪な姉Aうさぎ
意地悪な姉B美奈子
「むしろ、勉強できない姉2人はシンデレラにいじめられる気がするわよ」
「レイ、だから、なぜ私が継母なのよ」
「亜美ちゃんをいびるなんて、私は無理だし他の人はもっと無理よ」
シンデレラ最強伝説、ここに始まる


シンデレラ:レイちゃん
継母:みちるさん
意地悪な姉A:亜美ちゃん
意地悪な姉B:まこちゃん
「ちょっと美奈子、何よこの配役?なぜ、私が継母なの」
「いや、ぴったりですけど?」
「何ですって?」
「他に誰がいるのよ?レイちゃんイビることができる人なんて、みちるさんしかいないでしょ」


「みちる、深美ママに何かプレゼントあげた?」
『何のこと?』
「母の日」
『あっ』
「こっちに催促の電話がかかっていたわよ」
『じゃぁ、レイが代わりにやっておいて。私、母親らしいことしてもらってないもの』
「あとで、うるさいと思うけど」
『いいの、どうせ自慢してくるはずよ』

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Date:2015/05/12
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