【緋彩の瞳】 Ti amo END (R18)

緋彩の瞳

みちる×レイ小説

Ti amo END (R18)

「レイ」
「………ん?」
ちらりと見上げると、唇がレイを誘った。みちるさんのシャツを掴んで引っ張り、乾いた心に潤いを求めるように縋り付く。
「ん……ん、レ、イ……して」
「ん……」

欲しいと願ったのはレイ
縋り付いて
まとわりついて
その魂を
存在を乞うて
何もかもを求めている

「ん……ぁ…ん」
唇を何度も何度も重ねて、舌を絡めて離さないようにしながら、シャツの上から乳房を求めた。感じる吐息が漏れることも許さないほどに唇を求め、2つ閉じたボタンを無理やり外したときに、ひどく右の人差し指に痛みを覚えた。
血が出てしまっていないだろうか。
そんなことがちらりと脳裏をかすめたけれど、耳元で耐え切れずに浅い呼吸をするみちるさんの艶は、大したことではないと告げている。
「ん……レイ?」
フロントホックを外す時、確実に傷に引っかかり、瞬間、指がその動作を止めた。そっと目を開けて、背中を抱いていた左手でみちるさんの髪を撫でて誤魔化し、中指を使って外す。
「ベッドに行く?」
首筋に舌を這わしながら、シャツを引っ張る。半身をさらけ出したみちるさんの指先が、レイのシャツを掴んだ。
「……ここでして」
乳房に顔を埋め、どうしようもない縋る想いが肌に染みるように撫で、唇で跡をきつく刻み付けていく。みちるさんの柔らかい悲鳴に満たされていく想いは、まるで罪を犯すような想いになる。

満たされるだけで

何も差し出すものがないと


「レイ、指が欲しい」
「……珍しい」
「そう?」
下着に触れると、みちるさんが耳元でねだってきた。ハッキリ言われることが、今までなかったわけじゃないけれど、いつもレイはもっと執拗に全身に愛を乞うように跡を付けてから、みちるさんの中を求めている。
「だって……欲しいんだもの」

みちるさんを求めているのはレイなのに

「本当?」
「当たり前よ。レイの愛が欲しいの」

この想いを愛と表現することなんて


許されるのか
わからない




「レイ?」


息ができなくなりそうになって
どうすればいいのかわからなくて
唇を塞いだ
目を閉じていて欲しかった

下着の上から触れた場所を求めて、指先でサイドのリボンを外し、中指を埋めた。
喉を鳴らして小さく背中を震わせるのを唇に感じながら、そのまま深く、深く差し入れる。レイの肌蹴たシャツを掴む手が、唇を離して欲しいとせがむ。
「………ん、……レイ」
「痛い?足、上げて」
「レイ……待って」
左手でみちるさんの右ひざ裏を持ち上げて、視線から逃げるように鎖骨に顔を埋める。
より深くもっと、深い赦しを求める場所を探した。
「……レイ………」
「痛い?」
濡れているその場所。ずっと、こうしていたい。
「………大丈夫よ、ねぇ、もっと増やして。指、人差し指がいいわ」




あぁ


わざとなのね



今、レイの人差し指の傷はどんなことになっているのか、わからない。
また、血が滲んでいたりするのだろうか。
みちるさんの中に埋めたら、どんな痛みになるだろうか。

嫌だと思わなかった。入れてみたいとさえ思った。
「いいわ」
「…………ん、やだ。馬鹿!」
「だって、入れてって」
温かさが指を包み込んで、ジンジンする痛みは中の皮膚に擦れることに、耐えられないほどではない。

最後まで、してもいい。
いっそ、血が噴き出てもいい。

「馬鹿なんだから。わざとだって、気が付いたのでしょう?」
視線から逃げているのはなぜだろう。
その答えを導くことから逃げているくせに、きっとみちるさんは全部わかっている。

きっと、何もかも

「…………でも、私、こうしていたい」
「レイ、指を抜いて、消毒して」
「…………もう少しだけ」

もう少しだけ

「レイ」


呆れたと言わんばかりにため息交じりに名前を呼ばれて。
名前を呼ばれることにホッとしている。
「………みちるさん」
「ん…やだ、動かさないで。気になって集中できないわ。これ以上は嫌よ」
きつく腕を掴まれて、縋る想いを止められ、強制的に指を抜かれた。
「ほら、血が出てるわ」
見なさいと声が降ってくる。レイはしぶしぶ顔を上げた。
自分の指のことなのに、痛みなんてどうでもよくて。
「………そうね」
「どうして、言わないの?」
「たいしたことじゃないわ」
「………レイ」
「痛くないし」
「ウソツキ。こっちを見て」

痛い

そう思ったのは指先じゃない


「レイ。大丈夫よ」

その瞳が、深海の色に染められたその瞳が見つめてくる

「……ごめんなさい」


あぁ
痛い


頬に寄せられた唇。
冷たいと感じる手のひらがレイの頬を包み込んだ。
「泣かないで」
「………泣いて、ないわ」
「レイ。あなたは、私を愛せているわ」


赦しを求めている

どうしてそう想っていたのだろう


「……でも」
「愛せているのよ、レイ。あなたは私を愛している。何も不安になることも隠すこともしなくていいの。言葉に出すこともしなくていいわ。あなたは、私をちゃんと愛しているわ」

このジンジンと胸を襲う痛みを
何と呼ぶものなのか
わからないでいるというのに


「私にはちゃんと伝わっているから。レイが私を愛しているって。レイの愛は私にはわかるのよ」

赦しを乞うこの感情を
愛と呼んでいいとは思えないのに

「………縋ることしかできないわ」
「馬鹿。違うのよ、レイ」


あなたは私を愛しているのよ


何度もそう耳元で囁く声のせいで
ジンジンと指先が痛んだ

「みちるさん……指、…痛いから、……消毒して」
「えぇ、いいわ。消毒してガーゼを巻いて、私がレイを抱いてあげるわ」


指の傷が痛んで、涙が止まらない


ジンジンと痛くて





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Date:2015/06/16
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