【緋彩の瞳】 私はあなたの (R18)

緋彩の瞳

みちる×レイ小説

私はあなたの (R18)

「いい顔していたわよ」


みちるの腰にまたがり、紫の混じった黒く長い髪を緩く一つにまとめた恋人は、その綺麗な指先で、ゆっくりと乳房を愛撫している。息を整えるために上下している胸の上に置かれた両の手は、みちるの疲れなどお構いないようだ。
「………ねぇ、レイ」
「ん?」
薄く開いて麗しい顔を確認する。見下ろしてくる紅の瞳。じっと見つめられたら、それだけでまた息が苦しくなってきてしまう。息を飲みこんで、もっと触れてと願う感情が身体中を流れて、言葉にしたい衝動を抑えきれなくなってくる。
「……まだ、するの?」
「物足りないって顔をしているもの」

愛しいと想う
その愛しい人が求めてくれる限り
みちるはずっと乞い求め続けるだろう
一瞬だけの快楽は
言いようもないこの息苦しさを、決して無にしてくれるものではないと知っている

それでも

「………レイ、愛してるわ」
髪を引っ張って、少しでも肌が触れあっていたいと抱き寄せる。
鼻先が触れる。長い睫。
見つめられた、その瞬間から、愛という痛みを望んだと言ってもいい。

紅の瞳。

「愛してる、レイ」
「えぇ」
「レイは?」

愛していると言う言葉なんてレイに似合わない
これほどに愛しくて愛しくて
殺されたいと強く願うほど愛しくて

だから
みちるの想う愛と同等のものなど
レイが持ち合わせていないことはわかっている

そして、それと同じ想いを欲しいと願わない
重なり合わない愛でいい
この愛がみちるの独りよがりでいい

混じり合うことも、溶け合うこともない愛の方が

きっと



「さぁ?どう答えて欲しい?」
「……レイ」
吐息が唇に触れて、思わずきつく抱き寄せて縋るようにキスをしたい
背中を抱く腕にぐっと力が入ってしまう。
愛と言うもの以外の感情をすべて忘れ去り、ただただ、貪るように愛して、満たされたいと希う。

そして、そう願っている時点で、まだ、理性というものが働いているのだと思い知らされる。

「言わない方が、みちるさんは私を愛してくれるわ」
「………ズルい子ね」
「そういう困った顔、好きよ」

それでもいい

今、この時を共に生きていて
レイがみちるに触れてくれるのなら

「レイは私の顔が好きで、恋人になってくれたの?」
「……そうかも知れないわね。見ていたいのよ。みちるさんは感情が顔に出る人だから」

それはレイに対してだけ
レイへの想いのすべてを隠そうと考えられないだけ


楽しいこと
幸せなこと
嬉しいこと
寂しいこと
苦しいこと
愛しいこと


言葉ではうまく表現できない想いがあっても
隠そうと思わない

隠すことが無駄だと知っている

その紅の瞳は、何もかもを見抜いてしまうから
そして、見つめていて欲しいと強く願ってしまうから


「キスして」
「それだけじゃ、足りないでしょ?」
「えぇ」
「愛してと願っているのでしょう?」
「そうね。身体中を愛して欲しいわ」

みちるを満たす愛は
レイから注がれるものでしかなくて

それが希い

これがレイの愛であり
愛していると言う言葉を形にしてくれたもの


「みちるさんの気持ちいいって顔、好きよ」

息を飲み込み
背中にしがみつきながら
見つめられているのに逃れられなくて
それがさらに高みへと追い詰めてくる

レイに抱かれたまま死にたい想いは、快楽と同じところにある


「……んっ…レイは、本当に私の顔が好きなのね」


身体中を廻るレイの愛



「この世で一番綺麗だもの」



殺して欲しいと叫びたいのに、許されない
じっと見つめてくる紅の瞳


「愛してるわ、レイ」
「イキたいの?」
「……もっと、奥に来て」
「見せて、もっと、その綺麗な顔を見せて」

唇を求めても、レイは瞳を閉じずにみちるが果てる表情をじっと見つめ続けるだろう

殺してと願う感情のすべてが伝わって
それでも
それを許さないという瞳で


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Date:2015/08/09
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