【緋彩の瞳】 きっと ずっと

緋彩の瞳

みちる×レイ小説

きっと ずっと

珍しい。

先に行くと言っていたみちるさんを鏡越しに見送り、15分ほどしてからベッドルームへ入ると、すでに寝転がっていたレイの恋人は目を閉じて小さな寝息を立てていた。
みちるさんの寝顔と言うのは、あまり見られない。レイよりも早く起きているし、レイが眠るまで、みちるさんはいつも起きてくれている。先に寝転がっているということも記憶にはない。お疲れ気味なのかもしれない。
そっと音を立てずに扉を閉じて、足音もなるべく殺して隣へとはいる。大きなベッドでも振動は伝わるし、それで起こすのも可愛そう。サイドライトの柔らかい光が眠る恋人の横顔を照らして、長い睫が影を作る。

真っ白な肌
触れてみたい欲が心臓の動きをせかそうとする

起こしたいって思わないけれど
眠る恋人に触れたい、と心が意地悪をする

みちるさんの眠る顔
めったに見られない静かな愛しさ

…………ごめんなさい

そっと寝かせてあげようって思ったのが理性なら
その唇に触れたいと願ったのは本能と呼ぶものなのか

でも


啄むように唇を重ねて
身体中がもっと触れたいとねだることを、理性は止めることなど出来やしない


「………愛してる」

いつもレイの嘆きを抱きしめ
魂を抱きしめて
傍にいる赦しを与えてくれる

愛していると言葉に出す優しさのある恋人は
愛していると言葉に出せない弱さでさえ、微笑んで受け止めてくれる


ただ、その存在だけに縋る

「……愛してる」

眠る恋人の耳元で囁いて、その柔らかな髪に指を絡めた。

レイの黒髪がその真っ白な頬にはらりと落ちて、小さくまつ毛が震える。
その一瞬の仕草で、彼女の眠りが嘘なのだとわかった。

「みちるさん、して欲しい」

彼女の頬をくすぐる髪を払って、代わりに唇を押し当てる。小さく喉の奥で笑う声。

「…………珍しいわね」
「そっちもね」
「寝ているときに愛してるなんて言って。レイはズルい子だわ」

レイは何も返す言葉がなくて、開いたその瞳を見つめて、唇を重ね合わせた。
閉じてしまわないで、じっと、見つめ合いながら。


「愛してるわ、レイ」


レイは愛と言うものを恋人から注がれて、それが何なのかを知った
身体中を廻る想い
身体中に刻まれる恋人の香り

言葉で表現するほどの強さは、レイにはまだ足りない

「みちるさん」
「ほら、愛してあげるから」

愛をたくさん身体に注がれて、またひとつ、愛を教えてもらう

だからレイは
みちるさん以外は愛さないし
みちるさん以外を愛する方法はわからない
きっと
ずっと

愛しいと思う恋人は
レイを恋人以外愛さないようにさせてしまうのだ



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Date:2015/09/08
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