【緋彩の瞳】 ファースト・キス コンツェルト ③

緋彩の瞳

その他×海未小説[ラブライブ!]

ファースト・キス コンツェルト ③

「海未ちゃんはあかん!」
「海未はダメ!」
真姫ちゃんが勢いよく飛び出したのを、慌てて海未ちゃんが追いかけようとしたけれど、さらにそれを止めたのは、散々真姫ちゃんをからかって遊んでいた希ちゃんとニコちゃん。
「ちょっと、どうして止めるのですか?」
「取りあえず、今の海未ちゃんはあかん」
「そうよ、わかってないあんたはダメなの」
「だから、どうしてなのですか!説明してください。第一あなたたちが真姫をけしかけたのでしょう?」
馬鹿と言われたことが不服なのかなぁ、海未ちゃん。いや、花陽ちゃんにだけお弁当作ってきたことに嫉妬したって素直に言っちゃったんだから、そっちを気にしてあげた方がいい気がするんだけど、そのあたりは全然わかってないだろうしなぁ。
ことりは黙って眺めておこうかなって思ったけれど、花陽ちゃんが海未ちゃんからもらったお弁当の包みを開けられずに、完全に怯えてしまっている。
「こ、ことりちゃん…どうしよう……真姫ちゃんを怒らせちゃった?」
「えーっと、うーん。花陽ちゃんは悪くないと思うけれど……食べてもいいんじゃないかな?」
「で、でも、真姫ちゃん怒ってるし」
「う~~~ん」
ことりはうなった後、希ちゃんとニコちゃんを問い詰めている海未ちゃんの前にあるお弁当を見て、閃いた。
「海未ちゃん」
「な、何ですかことり」
「海未ちゃんが悪いんだよ」
にっこりほほ笑むと、3年生2人を問い詰めていた威勢が一気に消えてしまう。
海未ちゃんがことりに何も言い返せないことは、ちっさい頃から知ってるから。
「……こ、ことり?」
「海未ちゃんが、悪いの」
「えっと、その、それはなぜ、ですか?」
「それは、真姫ちゃんは海未ちゃんのことが好きだからです」



……
………

「………あの、すみませんが、ことり。私には意味がわかりません」
「「なんでやねん!!」」
きょとんとした海未ちゃんの額に、希ちゃんとニコちゃんのチョップが入った。
誰もことりが勝手に言ってしまったことを咎めないのは、仕方ないって思ったはず。
「意味は真姫ちゃんに直接聞いて。そして、海未ちゃんは今から、真姫ちゃんを探して謝ってきて」
「なぜ、私が謝るのです」
「鈍感な海未ちゃんが悪いからだよ」
海未ちゃんのお弁当箱と、真姫ちゃんが置いて行ったお弁当箱。二つを海未ちゃんに渡した。
「あと、海未ちゃんのお弁当は真姫ちゃんにあげてね」
「……その理由は?」
「仲直りのためだよ」
あぁ、鈍いんだから。こういうところも含めて海未ちゃんなんだけど、真姫ちゃんに好かれていることをちゃんと認識してあげないのは、真姫ちゃんより周りにも被害が広がってしまう。花陽ちゃんが悪いわけじゃないから、そう言うこともちゃんと、説明してあげるべき。
「………あの、花陽にお弁当をあげたことが、真姫を怒らせたというのは間違いないのですか?」
「うん、そうだよ」
「しかし、花陽にお弁当を作ってきたのは、ダイエットのために……」
「私に言い訳をしなくていいから、それは真姫ちゃんに言わないと」
「ですが、花陽のダイエットと真姫は何の関係もありません」
また、希ちゃんとニコちゃんのチョップが海未ちゃんの額を直撃する。
「いたっ!ふ、2人とも一体何ですか?!」
「真姫ちゃん泣いてるで?」
「そうよ、真姫ったら、今頃メソメソしてるわ」
「私のせいだとでもいうんですか?!」

だから、海未ちゃんのせい

海未ちゃんを囲む全員がそう言いたげな視線を投げかける。
さすがに鈍感な海未ちゃんも、無言で一斉に見つめられて、自分が悪いらしいということはわかったみたい。おずおずと、2人分のお弁当を抱きしめて、探してきますと部屋を出て行った。

「………真姫がはっきり声にださない限り、あの様子じゃぁ無理ね」
「そやな」
「海未はそれでも、わからなさそう」
ニコちゃんも希ちゃんも心配しているんだろうけれど、真姫ちゃんを囃し立てて怒らせたということを、すっかり忘れてしまっている。
「あなたたち、ヘラヘラ笑っているけれど、ことりの説教はちゃんと受けた方がいいわよ」
絵里ちゃんがそんなことを言うものだから、取りあえずことりはニコニコと笑って、黙って2人を交互に見つめておいた。

「「すみませんでした!!!」」





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Date:2015/09/25
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