【緋彩の瞳】 My eyes

緋彩の瞳

みちる×レイ小説

My eyes

触れる距離にあなたがいて
触れてくれるその指先が身体中にピリリと痛みを与えて
私は見つめられるその瞳が怖くて
いつもカチカチと秒針を鳴らす壁時計へと視線を向ける

数字をなぞる秒針を見つめながら
痛みに耐えながら
それでももっと触れて欲しいと希い

待ちわびる


「レイ、今で何秒?」
「……12秒」

その冷たい爪の先がやがて指の腹になって
そして手のひらになって
私の頬を包み込んでしまうまでの秒数

「そう」

逃れたいのではない

「……んっ」

ゆっくりと迫る影が世界を闇に包むように
それでも愛だけが唇を犯していく

この瞬間が怖い


死にたいと希ってしまう身体
殺してよと綴りそうになる唇を覆う愛

私の愛は、あなたには似合わないと
あなたの愛に私の愛は溶け合わないと

「………何秒、キスしてた?」
「ごめん、ちゃんと見てなかったわ」
「あら、残念」

離れてしまった唇は今日もまた
私を殺めてはくれない

「本当、レイはキスがへたくそね」
「………上手いキスってどういうの?」
「それは、もっと欲しいっていう誘いなの?」


殺して
あなたの愛で殺されるのなら

「………死んでしまうかもしれない」
「愛してるって素直に口にする方が可愛げがあるのに。本当、困った子ね」


“殺してあげないわ”

両頬を包む手のひらは温かいはずなのに、じわりじわりと身体中を痛みつける
心臓が止まってしまえばいいのに

そう希いながら


「レイ。時計ばかり見ないで。じっと目を閉じて、ちゃんと私だけを感じていて」

震える唇を覆う愛はいつになったら私を殺めてくれるのだろう
いつになったら、あなたは私のものになるのだろう

触れる距離にあなたがいて
私は今日もまた
愛に殺されたいと希い、想いはまだ叶わない



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Date:2016/02/21
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