【緋彩の瞳】 片想いと戦いと END

緋彩の瞳

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕

片想いと戦いと END

「いい試合でしたね」
試合後、交流会でノンナが声を掛けてきてくれた。アッサムはずっとローズヒップ達に捕まってしまっていて、後輩たちの慰め役を続けている。カチューシャは機嫌よさそうにしているが、クラーラと話をしたときに、相当怒られたと言っていた。もっと簡単に勝てただろう、と。
「勝ってしまうかと思ったわ、ノンナ」
「保奈美が……いえ、アッサムが自慢するだけのことはあります。いい隊員たちですね。聖グロのみなさんたちが、試合を始める前にあんな風に気合を入れる姿、初めて見ました」
「私もよ」
「あんなに大泣きする姿も」
「そうね、私も初めて見たわ」
アッサムを取り囲むローズヒップ達は、泣き止んでいるものの、頭を撫でられたくて群れをなしているようだ。交流会と言う名前なのに、積極的に交流しているのは整備科と情報処理部だけだ。心が広いカチューシャ様は、勝利に機嫌を良くして、聖グロの観覧をしていた生徒全員を招待してくれた。広さが足りず、立食に変更されけれど、カチューシャも隊員想いの一面があり、彼女なりの聖グロの生徒への優しさであると言うことはわかっている。偉そうに勝ったことをふんぞり返る姿を、ルクリリたちはしっかりと脳裏に焼き付けて、これからの訓練に励むだろう。
「保奈美は、…失礼、アッサムはとてもいい育て方をしましたね。ダージリンが彼女に委ねていたのも正解でしたね」
「そうね、“うちの保奈美”が、あの子たちを育てたの。聖グロは変っていくわ。とてもいい方向に」
ロシアンティーにジャムを溶かすなと言われて、舐めるのもはしたないのでストレートで一口飲んだ。それはそれで普通に美味しい。“うちの保奈美”は、着ているタンクジャケットがよれてしまうほど、後輩たちに引っ張りだこだ。
「あらゆるすべてはダージリン様のために、と言っていました。後輩を育ててきたのも、あなたを喜ばせたかったのでしょう」
「……そう。そんなことを話していたのね」
「えぇ、あとはまぁ、よくある恋の話を少しだけ」


恋の話と言われて、一瞬何のことを指すのかわからなかった。


「……本当に仲良しね、ノンナと“うちの保奈美”は」
「えぇ。親友ですから」
「そう………私は、アッサムと友達にさえなれなかったわ」

そしてもう、この想いは友達としてふさわしくない場所にある
友達にもなれないのだ

「保奈美はそれ以上にダージリンを大事に想っているんですよ」
「……そう?あなたが羨ましいわ。何でも話せる関係で」

恋の話って、アッサムは誰か好きな人がいるのだろうか。
そのことをノンナと話をしたのだろうか。
それとも一般的な、何か……と言われても一般的な恋の話と言うものって何なのだろうか。どこぞの誰かの噂話をして、お茶を楽しむと言うことなのだろうか。

「保奈美と恋愛事の話をしないのですか?」
「……したことないわね」

右の小指から血の気が引いていくのではないかと思えた。
心臓が送りだそうとする血液はもう、右手のすべてを身体から切り離してしまおうとしているのだろうか。

「してみたらどうですか?面白い話を聞けますよ」
「そう?」
「例えば好きなタイプとか。好きな人とどんなデートをしてみたい、とか」
「あぁ、なるほど、そう言う恋のお話なのね」
「はい」

思わず、ホッとしたため息を漏らした。何を安心しているのか、アッサムとノンナがそんなありふれた話をした、という証拠など何一つないのに。
好きな人がすでにいる前提の話かもしれないのに。

関連記事

*    *    *

Information

Date:2016/05/16
Trackback:0
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback

TrackbackUrl:http://fireredfantasia.blog.fc2.com/tb.php/721-8cf74813
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)