【緋彩の瞳】 約束。 ⑥

緋彩の瞳

ダージリン×アッサム〔ガルパン〕

約束。 ⑥

無線から声が聞こえなくなり、砲撃が静かになった。ローズヒップがクルセイダーから降りて、炎を上げている事故車両に走って近づこうとしているのが見える。危険地帯に飛び出したから、黒森峰側が砲撃を止めてくれたのだろう。


 誰のために戦うのか。何のために戦うのか。
 ローズヒップに偉そうに言っていたくせに。
 いつだって、ルクリリが守らなければならないのは、勝利ではない。



「……………ペコ、救護要請を」
「わかりました、隊長」 

 ペコの肩に手を置いた。笑顔で頷いたペコは、無線を大会本部に繋いでくれた。
 土砂降りの雨。
 冷たい雨。


 自らの手で白旗を出した。


 ローズヒップやほかの隊員たちが消火しようとしている場所に、チャーチルを走らせる。マチルダⅡのキャンディ様たちも、リゼ様のクルセイダー隊員たちも助けようと近づいてくる。

「みんな!今、助けますわ!」
「ロープを繋げ、ローズヒップ。ルフナ、合図をしたら引っ張って。まずは2両を引き離そう」

 練習中に高速スピンをして炎上したクルセイダーの消火やら、隊員の救出は何度も手伝って来た。真っ黒な煙に身体をいぶされながら、濡れた身体に熱さを感じて、激突した2両を引き離し、特殊カーボンに覆われているハッチをルクリリ、ペコ、ローズヒップの3人で力一杯引っ張った。
「バニラ、みんな、無事?」
 車内は焦げ臭いにおいと、狭い中で動けずに横たわっている仲間たちの姿。
「バニラ」
 身体を中に入れて、手を引っ張ると握り返してきた。1人1人引きずり出して、リゼ様、キャンディ様へと預けて行く。
「ありがとう、ルクリリ。私たちは、何とか大丈夫。だから……クランベリーたちを」
「うん、危ないから、なるべく離れて待機してて」
 よろけているバニラをペコに任せて、スピンして逆さまになって炎上しているクルセイダーへと立ち向かった。聖グロの皆が集まって鎮火しつつあるけれど、ハッチに近づけそうにない。
「クランベリー!!!」
 焦げ臭いクルセイダーはひっくり返ってしまっているから、何とか横に倒さなければ。
「クランベリー!!今、助けるからね。みんな、待ってて!」
 オイルと真っ黒な煙。防火仕様ではない革の手袋で触ったらとても熱く感じた。みんなで背中を使って押しあげてみようとしたけれど、雨とオイルで力がかかりにくい。
「誰か、反対側の履帯にぶら下がって!」
「せーの!」
「うぉりゃ~~~!」
 力が足りない。非力な女の子が一斉に押しても、ひっくり返った履帯が重い。
「クランベリー!」
 何とか斜めまで倒れたが、それでもまだ、ハッチを開けられそうにない。やっぱり、救護部隊が到着するのを待った方が良いのだろうか。今日は大雨でヘリを飛ばせないから時間がかかっているのだろう。でも1秒でもじっとしていられない。
「くっそ~~!」



「あんたたち、結構、頭悪いのね」


 ひっくり返っている車体の傍に、いつの間にかティーガーⅠが近づいてきていた。
「引っ張ってあげるから、あんたたちは穴でも掘りなさいよ」
「………エリカ様」
「そのあたりの地面をスコップで掘って、段を作ればいいでしょ?そこに引っかかれば、草の上を滑らずに、砲塔部分は横になるはずよ。本当、馬鹿だらけ」
 とても怒った表情でいらっしゃるエリカ様にスコップを押し付けられた。段差を作って横転させろと言うことだ。ルクリリは勢いよく芝生にスコップを突き刺した。他の黒森峰の隊員たちもスコップで穴を掘ってくれる。
「ロープを車輪に括りつけて、合図で引っ張るわよ」
「……せーの!!!」
30センチほど草の上を滑った砲塔は、スコップで掘ったくぼみに落ちて、そのタイミングで勢いを付けたティーガーⅠに引っ張られ、大きく機体を揺らして横転になった。
「やった!!!」
 すぐにハッチを力いっぱい引っ張った。むわりとオイルの匂いが顔に降りかかり、火を噴いていた時に籠っていた熱が逃げて行く。
「クランベリー!!!!」
 見えた身体を掴み、引き摺り下ろした。薄く目を開けて、無理やりに笑っている顔が見える。
「お姉さま!」
 ローズヒップの背中にクランベリーを預けて、砲手の先輩、装填手の先輩、操縦手席の先輩を全員クルセイダーから助け出した。救援車両が近づいてくる。
「ローズヒップ、リゼ様と一緒にクランベリーたちの付き添いをお願い」
「わかりましたわ。ここはお願いします」
 大雨は止まない。身体が冷えないように、羽織っていたレインコートを先輩に着せて、救護車に全員が自力で歩いて乗る姿を見届けて、車を見送った。


「エリカ様」
「………何よ?」
 土砂降りの雨の中、エリカ様が黒森峰の隊員と共に、手を貸してくださらなかったら、おろおろしていただけかもしれない。ずぶ濡れた黒森峰の隊員に深々と頭を下げた。
「ありがとうございます」
「………別に。こんなことで1勝上げたって思われたら、私たちが悪役みたいで嫌なだけ」
 こちらから白旗を上げたのだ。そんな勝ち方は誰でも嫌だろう。ましてや目の前で爆発炎上して、わらわらとみんなで助け出すみたいなのを見せつけられたら、いい気分ではないのはわかる。
「みっともない姿をお見せしました」
「もう、あんたたちが殴り合うのを見たし、そっちの方がよっぽどみっともないわよ」
「………本当に、無様で申し訳ないです」
「聖グロは毛色が変わったわね。まぁ、あなたみたいな人、嫌いじゃないけど」
 
 黒森峰を見送り、白旗を上げたチャーチルに乗りこんだ。整備科の新しい科長が牽引車に乗ってやってきてくれる。その場に残っている隊員たちを乗せた車の後をついて、各校集合場所へと向かった。
 マチルダⅡ部隊の隊員たちに心配そうな顔で迎えられて、バニラたちの救出を優先させるため、自ら白旗を上げて負けたことを自分の声で告げた。
「バニラたちは自分で歩けていたから、大丈夫。事故だったとはいえ、負けたことに変わりはない。本当に申し訳ない。これは私の責任」
 みんなに頭を下げると、キャンディ様が下げた頭を撫でてくださった。なぜだか、じわりと涙が瞼の淵に広がった気がして、すぐに頭を上げられなかった。
「ルクリリ隊長の判断は正しかったわ。また、試合を申し込めばいいだけだわ。みんなの無事が確認できなかったんだし、あの場であれだけの炎上をしているのを、放置して戦うと言う選択肢なんて取れるはずがないもの。これが私たちの戦車道よ」
「……はい」

 ゆっくりと顔を上げて、1人1人の隊員を見渡した。早朝から練習を続けて、この大雨を予測した訓練もしてきた。スピンをする恐れがあることもわかって、彼女たちの日ごろの訓練をしっかりローズヒップが指導してきた。それでも、事故は起こるものなのだ。こういう負け方もある。

 
 でも、これでよかったのだ。


 あとでローズヒップに怒られるかもしれない。自ら白旗を上げて負けたことを、マリアがテレビで見ていてどう思うのか、と。



「………良く思いとどまったわね、アッサム」
 爆発炎上をした瞬間、立ち上がったアッサム。すぐにでも部屋を飛び出すんじゃないかと思ったが、歯を食いしばって持ちこたえ、椅子に腰を下ろした。聖那さまは妹が乗っているクルセイダーなのに、声も上げずにモニターをじっと見つめておられるだけだ。
「走って行ったところで……今は、何もできませんわ」
「そのとおりよ。ルクリリの行動を良く見ていなさい」
 ダージリンは冷めた紅茶のカップをテーブルに置いて、ゆっくりと背を預けた。数分後にチャーチルが自ら白旗を上げて、棄権したというアナウンスがスピーカーから流れてくる。
「あんな衝突炎上、別に死ぬほどじゃないのに。ここで棄権なのね」
「聖那、自分の妹が乗っているのでしょう?よく言えたものね」
 隣の聖那さまは、ため息とともに腕を組まれた。愛菜さまは棄権について批難されてこない。ルクリリはきっと、何かしらバニラやクランベリーから救援要請を受けたのだろう。あるいは、無線が繋がらないなどの状況に陥って、やむなく棄権したのかもしれない。相手への最低限のマナーとして、自ら白旗を上げるという選択をしたのだ。あの場にいる人間にしか、その良し悪しは判断出来ない。
「うちの妹の判断が鈍いから、こういうことになるのよ」
「聖那も1年生のころに爆発炎上したものね。超高速スピンで目が回って気絶していた。愛奈がマチルダⅡから飛び出して、助けに行ったものね」
「麗奈、余計な事は言わないで」
 お姉さま方の言い合いを聞き流しながら、ルクリリ達が自分たちの手で消火活動を行い、仲間たちを救出している様子を見守っていた。雨のせいで映像の映りは悪いが、ローズヒップやペコも揃って、隊員たちを助け出している。黒森峰の隊員たちまで、救援に手を貸してくれる姿。倒そうしていたティーガーⅠに助けられている後輩たちの姿。全員の無事をアナウンスで確認して、試合は黒森峰勝利とし、モニター画面には黒い校章と勝利の文字が大きく映し出された。
「聖那、救護室に行って妹の様子を見て来てあげたら?」
「あの子のせいで、また私が寄付金を弾まなきゃいけないわ。ちょっと、胸倉を掴んで振り回さないと」
 聖那さまは、お怒りというよりは、妹の無事を知ってホッとしているのだろう。アッサムは立ち上がって、ダージリンを見つめてきた。もう我慢ならない、と目が訴えてきている。
「聖那さま、アッサムがバニラたちの無事をどうしても確かめに行きたいそうなので、ご一緒してあげてくださいませんこと?」
「聖那さま、行きますわよ」
 アッサムは聖那さまの腕を掴んで引っ張った。渋々のポーズを見せながらも、部屋を出て行く時には、アッサムよりも足取り早く出て行く後姿。
「ダージリンはいいの?」
「私は、西住まほさんに謝りに行きますわ」
「あぁ、黒森峰の。そう、じゃぁ、私たちは3年生たちにでも顔を見せに行ってくるわ」
 愛菜さまは、麗奈さまと共に、別のモニタールームで試合を見ていた他学部を含む3年生たちに顔を見せに行った。ルクリリたちとは会うことなく、きっとお帰りになられるだろう。

 とても価値のある負けだった。ルクリリを隊長にしてよかったと、心から誇りに思う。


怪我や打撲はあったものの、幸い重傷ということもなく、みんな元気な様子だった。ローズヒップは全員の治療が終わるのを見届けて、バニラ、クランベリー両車の隊員を連れて救護室を出た。
「ローズヒップ」
「………アッサム様」
 外に出ると、アッサム様が雨の中、傘を差して待っていてくださった。隣にはバニラのお姉さまもいる。きっと、妹の無事を確かめに来られたのだろう。
「全員無事ね」
「はい」
「そう。それならいいわ」
 本当は抱き付いて、頭を撫でてもらいたかったけれど、今はそんな甘ったれたことなんてしてはいけない。責任があるのに、まるで責任を放棄したみたいになってしまう。
「ご迷惑をおかけしました。ごめんなさい」
「迷惑は掛かっていないわよ。心配しただけ」
「はい」
「ルクリリたちとすぐに合流しなさい。整備科への指示と最終確認はあなたの仕事よ。みんな、待っているわ」
「わかりました、ですわ」
 レインコートを被って、怪我をした隊員たちを気遣いながら、すぐにルクリリ達が待っている大会本部に走ることにした。
「お姉さま、ごめんなさい」
「同じティーネームを受け継いでいるのだから、私に恥をかかせないで」
「はい」
 バニラは実のお姉さまにでこピンされていたけれど、それでもアッサム様は笑っているから、きっと本気で怒ってなどいないはずだ。みんなの無事をわざわざ確認に来てくださったアッサム様たちは、ローズヒップ達に付き合わずに、もう帰るとバニラに告げられた。とにかく、一杯やらなければいけないことがある。副隊長になって、クルセイダーの部隊長になって、整備科責任者になって、やることはたくさんある。でも、ローズヒップはただ、一生懸命走るだけなのだ。

 誰のために。

 目的を見誤らないで、とルクリリが言っていた。
 聖グロの戦車道は、自分と仲間たちのためにあるのだと。

 そう言えば、試合開始から、一度もマリアのことを考えなかった。練習中はずっと、勝ってマリアを喜ばせたいって思っていたはずなのに。
 昨日、ルクリリとあれだけやりあったはずなのに。

 最初から、出来ない約束をしたことが間違いだったのだ。本当はわかっていた。わかっていたけれど、嘘を吐いたと認めたくなかっただけだ。


 この負けを、マリアはどう思うのだろう。でも、みんな必死に頑張ったのだ。自分たちの戦車道を貫いた。その結果、負けた。事故を言い訳にしてはいけない。マリアに負けたことを責められても、嘘を吐いたことを謝る以外に、出来ることはきっともう何もない。
必死になっても負けてしまうことがあると、そう思われることは悲しい。病気は負けてしまえば、もう次はないのだ。どうすればいいのだろうか。うまく言葉が見つかりそうにない。


 嘘を吐いてごめん。そう言うしかない。負けてごめん、なんて言えない。それはルクリリを傷つけてしまう言葉だ。






 大雨の中、全員の無事の確認と、整備科が戦車をすべて学生艦に引き上げたのを見届けて、真っ暗になった頃に隊員を乗せたバスは学生艦に戻ってきた。


 雨は止んでいた。
 星は見えなかった。

 寮生活の隊員たちと遅めの夕食を済ませた後、3人でスパに行って雨に打たれた身体をしっかりと温めて、泥のように眠った。

 

 ペコのダブルベッドに、3人で当たり前のように腕を取り合って。
 夢の欠片もみなかった。



朝からあちこちへの報告や打ち合わせに、3人で走り回り、お昼過ぎにゆっくりと船は横浜へ向けて出港した。ある程度の仕事が片付けば、横浜に降りられるから、病院へ行って、マリアに試合の報告をしに行かなければならない。電話で容態を確認してからにしようかと思ったが、会えても会えなくても、遠くからでも姿を見たかったし、負けたことは出来ればちゃんと顔を見て伝えるべきだと思った。出し切れる力をすべて出したと伝えても、がっかりさせたことには変わりない。負けたことが悪いのではなく、約束を破ったローズヒップだけが悪いのだ。出来ない約束をしたことが悪いのだ。


「横浜に出るの?」
「マリアのお見舞いに行かないといけませんわ。ずっと、顔をみていませんもの」
 仕事を終えて隊長室に戻った後、3人でお茶でも飲もうと言ってくれたルクリリに、横浜に降りたいから、要らないと告げて、脱いでいたジャケットを羽織った。外はまだまだ寒い。
「そっか。私とペコも一緒に行っていい?」
「もっちろんですわ!ルクリリとペコが来たら、マリアは喜びますわ」
「………じゃぁ、3人で行こう」
 ハンガーにかけていたジャケットを取ったルクリリは、ペコの分も取って投げるように渡す。3人で横浜に降りて、マリアに会っても、約束を果たせなかったのはローズヒップだけが悪いのだ。でも、ルクリリとペコが会ってくれたら、少しなら許してくれるかもしれない。隊長が来てくれたと、喜んでくれるかもしれない。
「行こうか。そろそろ、いい時間だわ」
「いい時間ですの?」
「……うん、丁度いい時間」
 ルクリリは制服のネクタイをキチンと閉め直して、一番上のボタンを留めた。ペコが運転する車は横浜の街を抜けて、途中で反対方向へと曲がる。
「ペコ、道が違いますわ」
「いえ、こっちで合っています」
「近道なんて、ありませんわ。まったく違いますわ」
 ペコが走らせる車はドンドン病院から離れて行って、どこかに寄って何かを買うのかと思ったけれど、周りに何もお店のない駐車場に止められた車の目の前には、大きな教会があるだけだった。

「………ペコ、ここはどこですの?」
「教会です」
「それは見たらわかりますわ」
 ペコを見つめ返すと、その目はとても困ったようにルクリリを見上げていた。ルクリリがここへ向かえと指示をしていたのだろう。

「あのね、今…………マリアの告別式が行われているの」
「こくべつしき?」
 それは、どういう意味なのだろう。意味は分かっているけれど、身体が付いていかなかった。理解すると言うことを拒否しようとしている。ルクリリはローズヒップのネクタイをきちんと締め直して、ジャケットの襟をきちんと引っ張り髪を撫でてくる。

「うん。亡くなったんだ、マリア」


「………嘘。だって、良くなっているって、看護師さんは言っていましたわ。試合をとても楽しみにして、いる…って」


 嘘だよ、なんて言ってくれない瞳だって知っている。
 ルクリリは馬鹿だから、嘘を吐かない。
 本当のことを黙っていることはあっても、嘘は吐かないのだ。
 ローズヒップと大違いなのだ。


「…………うん。でも、亡くなってしまったの。試合前に泣かれて、部隊が機能しなくなると思って、今まで言わなかった。マリアは……試合を見る前に亡くなってしまった。だから“負けてごめん”じゃなくて、お互い頑張ったねって言って、お別れしようよ」

 ルクリリの目はじっとローズヒップを見つめてくれて、だから嘘なんて一つも言っていないと言うことはよくわかる。

勝手に流れてくる涙は、ルクリリの両手が何度も何度も、拭ってくれた。

「マリア、本当は良くなってなかったんですの?」
「…………そうよ」
「ルクリリは、看護師さんに嘘を吐かせたんですの?」
「私が病院にお願いしていたの。でも、マリアは頑張っていた。試合を見たいって、ずっと最期まで言っていたんだって。でも……神様は、私たちの無様を見せたくないって、そう思われたのよ」


 勝手に溢れてくる涙と、勝手に出てくる嗚咽はどうすることもできない。ルクリリを憎いなんて、少しも思わなかった。誰かを責めるなんてしない。マリアは一生懸命戦ったけれど、負けてしまったのだ。ローズヒップたちが試合に負けてしまうことがどうしようもないのと同じように、マリアだって、ずっとずっと頑張っていたのだ。神様がその時を選んでマリアを天に連れていかれたのならば、そのことにはきっと意味があるのだろう。


 抱き付いたルクリリのジャケットはしわくちゃになったけれど、ちゃんと受け止めてくれたから、教会に入る前に声を上げて泣いた。ペコに頭を撫でられて、ひとしきり大泣きした。


 悲しくて。
 どうすることもできなくて。
 泣くことしかできなくて。
 涙は2人にサンドイッチして抱きしめられていたから、しばらくしたら落ち着いた。
 悲しみは、いつか枯れてしまうものなのだと知った。


 涙を拭って、3人で表情をちゃんと確認し合って、それから背筋を伸ばして教会に向かう。聖グロの戦車道の副隊長として、きちんとお別れの挨拶をしないといけない。



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Date:2016/10/13
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