【緋彩の瞳】 きっと、明日

緋彩の瞳

美奈子×レイ小説

きっと、明日

明日、この世界からあなたは消える。


そして、私も消える。



「ねぇ、レイちゃん」
「何?」
「うん。私、レイちゃんのことが好きだよ」


消えた世界に訪れる平和を、この瞳で見届けることができない癖に。

私と言う世界が終わった後の世界を守るのだ。


どうして、守るのだろう。

あなたも消えてしまう世界だと言うのに。


「それがどうしたの?」
「うん、言いたいことは全部言っておこうと思って」
「明日に取っておけば?」


明日で最後だと言うのに。


「そんな余裕、きっとないよ」
「そう?美奈って、案外ビビりなのね」
「………レイちゃん、生き抜くつもりなんだ」
「当然でしょう?私は、“私の未来”を守るために戦うの。世界なんて知らないわ」


あぁ、そうだった。
強がるあなたの弱さを、とても愛したのだ。



あの、遠い世界でも。
同じような言葉で私を見送った。



腕を組んで、胸を張って。
私のことを馬鹿にして。


「じゃぁ、戦いが終わったらさ」
「何よ」
「私に言うって約束をしてよ」
「だから、何を?」


私を好きだって。
そして、ずっと、未来も一緒だって。

そんなとても臭いセリフを、真剣な声で言って。



「大した敵じゃなかったわね、ってさ」

最後を惜しむように触れたいと願った頬。
その未練を残しておいた。


明日がもし、あるのなら
明日に取っておけばいいのだ

明日が、あるのなら。


「それを言うには、かすり傷も作れないじゃない」
「そうね」


あなたは、とてもメンドクサイため息を吐く。

震える唇。
長い睫。
その瞳にはもう、明日はないと映し出されている。


それでも。


「それくらい、言ってあげるわよ」
「うん。あとついでに、美奈のことが好きって言うのも言ってね」


それでも。


「そうね、すべてが終わった後でなら、いくらでも言ってあげるわ」



私の未来を守ろうとする、あなたが好き。


好きだよ、レイちゃん。


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Date:2017/02/14
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