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緋彩の瞳

みちる×レイ小説

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あなたが見上げた空は薄闇なのかしら。
私の瞳が捉えているこの空は、同じ色なのかしら。
目に見えないものすべてが欲しくなるから。
あなたが見ているものも欲しくなるから。
気に食わない。
何もかもが気に食わないの。

あなたの五感を揺さぶるものすべてが私と同じではないのなら。
あなたの思考で私にわからないことがあるのなら。

この世界が存在する意味なんてない。
意味なんてない。



あなたが欲しいと思うのに。触れたいと思うのに。その情は言葉として生まれることもなければ、指先が動くこともない。ひたすらあなたの姿を追いかける瞳は、淡い期待と想いを乗せても、光になって彼女へと届くこともない。
それでもいいと想う気持ちもあるけれど。言いようもない苦しみは、やがて心に白いペンキを塗りたくって何もなかったことにさせようとするけれど。
彼女があの人に微笑みかけるたびに。
彼女があの人に触れるたびに。
諦めという想いは、指先を締め付ける些細な痛み程度が生まれる。
それでも、痛みが増してやがて全身に回って、死んでしまわない限りは、まだ、大丈夫だと全神経に言い聞かせて。

叶えたい願いなのかわからない。
伝えたい想いなのかわからない。

ただ、いつまでもこの瞳は彼女を求めている。
彼女が仰いだ天が、私の瞳にも映し出されていると信じて。

彼女のすべてが私のものであると、幻想を描いて。
けれど、決してそうはならない世界を悲観することもなく。
だけど、彼女をいつまでも求めている私という存在は。
言いようもなく、気に食わない。





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Date:2014/02/11
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