【緋彩の瞳】 胸に刻んで ②

緋彩の瞳

みちる×レイ小説

胸に刻んで ②


「ねぇ、それ閉じて」
「まだ、12時になってないわ」
線状のメロディを辿る瞳の前に、レイは手をかざす。
「閉じて」
彼女はまたいつものように困った表情でレイを見る。けれどそれも一瞬だけで、今日は言う通りにしてくれた。


特別な日だから。

「レイ、あと4分ね」
部屋の時計は秒数までも正確に刻まれている。レイは寝転がる気配のないみちるの膝の上に乗り、ゆっくりと抱きついた。
「今年は何をくれる?」
「何かしらか?」
お金をかけるプレゼントを、レイは受け取らないことにしている。2人で誕生日を迎えるのは今年でまだ2回目だけれど、1度目は部屋のスペアキーをもらった。だから今年はもっとそれ以上のものだと、期待している。
「まだ、用意していないの?」
「さぁ?」
「・・・ふぅーん」
あと3分。レイは彼女のふわりと優しい髪に指を通していじった。彼女はレイと瞳を合わせたそうに、じっと見つめている。だけどレイはそれから逃げるように、決して瞳を合わせようとはしなかった。
あと20秒。
「レイは、いつになったら呼ぶの?」
「何を?」
とぼけてみせる。彼女は溜息を漏らした。
「じらすわね。私の名前」
8、7、・・・
「あら、呼んだことない?」
「わざと避けている。違って?」
3、2、・・・
「そうよ、わざと」





レイは彼女に引き寄せられた。
それに抗うことなんてしない。
「おめでとう、レイ」
「ありがとう」
頬に舞い降りる口付け。
祝福の口付け。
そして重なる唇と、奪われた吐息。
「レイ、明かりを小さくして」
彼女の膝に乗ったまま、レイは腕を伸ばす。スタンドライトの明かりのつまみを回して、お互いの影が分かる暗さまで落とす。





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Date:2014/02/11
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